政策金利は49%に、5カ月連続で利上げ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年05月24日

アルゼンチン中央銀行は5月12日、政策金利〔28日物中央銀行債(Leliq)の利率〕をこれまでの47%から、2ポイント引き上げて49%とした。5カ月連続の利上げとなった(添付資料図参照)。国家統計センサス局(INDEC)が同日に発表した4月のインフレ率は前月比6.0%、前年同月比58.0%となり(2022年5月23日記事参照)、物価上昇の勢いが衰えなかったことから利上げに踏み切ったとみられる。

中銀は継続的に利上げをしているが、通貨ペソの対ドルレートの下落速度は、物価上昇速度から遅れている。また、ペソ下落への期待を背景として、穀物や油脂の輸出控えにつながっているとの見方もある。

中銀はIMFとの債務再編合意に基づき、実質金利をプラスにすると同時に、輸出拡大によって外貨収入を増やし、外貨準備を積み増したい狙いがある。

中銀は5月12日付のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、3月と4月に急騰した物価は今後徐々に落ち着きを取り戻すとの見方を示している。ただ、中銀が毎月集計する民間エコノミストらの経済見通し(REM)の最新結果によると、2022年のインフレ率の見通しはさらに引き上げられて64.2%となっている。中銀は難しいかじ取りを迫られている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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