仕様変更に伴い、コロナ対策アプリに不具合が発生

(サウジアラビア)

リヤド発

2022年05月13日

サウジアラビアでは、4月1日に当地のコロナ対策アプリ「タワッカルナ(Tawakkalna)・アプリ」の仕様が変更となったことで、サウジアラビアへの赴任者および出張者の間で、アプリのシステムトラブルが複数確認されている。

サウジアラビア国内の公的・民間施設などへの立ち入りや公共交通機関の利用、各種イベントへの参加に際しては、「タワッカルナ・アプリ」上で、ワクチン接種を完了した免疫保持者であることを提示する必要がある(2022年4月27日記事参照)。

従来は、渡航前に登録義務のある「Arrival Platform(Muqeem)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に入力されたワクチン接種状況に基づき、ワクチン接種を完了していれば、「タワッカルナ・アプリ」上に一律で「Immune(免疫あり/緑色)」のステータスが表示されていた。しかし、仕様の変更後は、出張者や観光客などの一時滞在者については、「Insured Visitor(保険加入済み訪問者/緑色)」もしくは「Medically Uninsured Visitor(保険未加入の訪問者/白色)」と表示されるようになり、渡航要件である新型コロナウイルスの治療費をカバーする医療保険の加入状況に焦点を置いた表示形式となった。

他方で現状のところ、来訪者が自身の保険の加入状況を申告し、「タワッカルナ・アプリ」に連動させられるプラットフォームが用意されていないため、保険に加入済みだったとしても、「タワッカルナ・アプリ」上では、保険未加入を示す「Medically Uninsured Visitor(保険未加入の訪問者/白色)」のステータスで表示されてしまう場合がある。その場合、ワクチン接種済みかつ保険加入済みだったとしても、サウジアラビア国内での行動が実質的にほぼ不可能な状態となってしまう。

サウジ政府当局より、本件についていまだ明確な対応方法は公表されていない。上記を含め、アプリのステータス表示に問題が発生した際には、保健省の新型コロナ・ホットライン「937」に電話の上、相談することが望ましい。

現在、サウジアラビアでは、約1カ月間のラマダンとその翌週のラマダン明け休暇(イード休暇)(注)で人々の交流が盛んとなったため、新型コロナウイルスの新規感染者数が微増しており、やや注意が必要な状況となっている。

(注)サウジアラビア政府が定めた2022年のラマダン期間は4月2日から同29日まで、イード休暇は4月30日から5月4日まで。

(位田陸)

(サウジアラビア)

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