穀物貿易見通しを前月から上方修正、4月の食料価格は依然高水準、FAO発表

(世界)

国際経済課

2022年05月09日

国連食糧農業機関(FAO)は5月6日、穀物の需給見通しを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注1)。2021/22年の世界の穀物貿易(輸出)量の見通しを4億7,310万トンとした(注2)。同見通し値は前年実績を1.2%下回るものの、前回発表の見通し(4月8日時点)との比較では370万トン上方に修正された。

穀物貿易のうち、粗粒穀物の見通しを前回から240万トン上方に修正した。上方修正分のうち170万トンはメイズ(以下、トウモロコシ)が占める。FAOは、トウモロコシの見通し引き上げ理由として、「中国の継続的な強い需要」、「ここ数カ月のアルゼンチンからの予想以上の出荷ペース」、さらには「多くの物流上の課題を抱えながらも、輸出のための鉄道で欧州国境まで輸送する、ウクライナの取り組み」を挙げた。

小麦の貿易は前回から120万トン上方に修正した。今回の見通し引き上げは、予想を上回るロシアからの輸出を反映したもの。「輸送や金融面での困難にもかかわらず、主にエジプト、イラン、トルコ向けに4月に出荷が継続したことに基づく」とした。

なお、同日発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした4月のFAO食料価格指数(FFPI、2014~2016年=100)のうち、穀類は169.5と前月(170.1)から低下した(注1)。過去最高を更新した前月から低下したが、統計をさかのぼることができる1990年1月以降で2番目に高い水準である。穀類のうち、粗粒穀物が低下した一方で、小麦価格は上昇したと指摘。小麦価格について、「インドからの大量の出荷、ロシアからの予想以上の輸出、価格高騰による世界需要の減退によって抑制された」一方で、「ウクライナの港湾封鎖の継続と米国の作況に対する懸念の影響を強く受けた」との見解を示した。

食料価格は前月から低下も、過去2番目の高水準

FFPIは158.5で、過去最高を更新した前月から低下したが、1990年以降で2番目の高水準だった。グループ別では、上述の穀類のほか、植物油も前月から低下したが、いずれも過去2番目の水準となった。植物油のうちパーム油価格について、「高コストと中国の需要見通しの弱体化の中で輸入が抑制されたことなどから、緩やかに下落した」一方で、「世界有数のパーム油輸出国のインドネシアからの輸出不確実性が、国際価格のさらなる下落を抑えることになった」と指摘した。

(注1)各リンク先の情報は、最新リリース時に内容が更新される。

(注2)穀物のうち、小麦と粗粒穀物は2021年7月~2022年6月、米(精米)は2022年1月~12月。

(朝倉啓介)

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