世界最大級の酒類見本市、3年ぶりの開催、海外から日本酒に高い関心

(ドイツ、日本)

デュッセルドルフ発

2022年05月31日

ドイツ・デュッセルドルフで5月15~17日、「プロワイン(ProWein)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。プロワインは、世界最大級の国際ワイン・アルコール飲料フェアだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年、2021年は中止。2022年は再度の感染状況悪化に伴い3月27~29日の会期を5月に延期し、実に3年ぶりの開催となった。

プロワイン2022には、日本を含む世界62カ国から約5,700社が出展し、来場者は145カ国から3万8,000人に上った。新型コロナ感染拡大前の前回2019年の実績(出展者数:64カ国約6,900社以上、来場者数:142カ国6万1,500人)から減少した。

有機ワインやシャンパン、クラフトビールやクラフト蒸留酒などの特別展示のほか、包装に関連したソリューションを出展するブースや受賞ワインのテイスティングエリアが設けられた。また、来場者向けワークショップも開催された。

ドイツの日本酒の輸入額は過去10年間で2.6倍に増加し、2021年に335万5,000ユーロとなった。一方、ドイツワイン研究所の2022年5月5日の発表によると、ドイツの消費者は高いインフレ率(3月は前年同月比7.3%)のため、2022年第1四半期(1~3月)にワインの購入を自粛した。日本酒の購入にも影響を与える可能性があるとみられる。

新型コロナによる延期の影響などで、日本からプロワインに出展したのは1社のみだった。兵庫県の辰馬本家酒造は、Kura Master日本酒コンクール2021金賞受賞、モンドセレクション2021・2022と2年連続金賞受賞の「黒松白鹿 純米大吟醸」などを展示し、「欧州向け輸出に一層力を入れていきたい。フランスのほか、スウェーデンやポーランドなどからもバイヤーが訪れており、手応えを感じている」と語った。

写真 辰馬本家酒造ブースの様子(辰馬本家酒造提供)

辰馬本家酒造ブースの様子(辰馬本家酒造提供)

フランクフルト近郊の日本酒販売会社ウエノグルメは、テイスティングイベントを開催。約30人が参加し、盛況だった。スパークリング日本酒や日本酒リキュールのテイスティングが行われ、代表の上野ミュラー佳子氏から、各銘柄の特徴やフードペアリングが説明された。イベントに参加したトルコ人シェフは「スパークリング日本酒を試すのは今回で2回目。ゆずや抹茶の日本酒リキュールは非常にユニークで、特にゆずが気に入った」とした。

写真 日本酒テイスティングの様子(ジェトロ撮影)

日本酒テイスティングの様子(ジェトロ撮影)

次回のプロワインは2023年3月19~21日にデュッセルドルフで開催の予定。

(田中俊、ベアナデット・マイヤー)

(ドイツ、日本)

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