「製造業立市」を目指す広州市、工業用地に対する規制緩和

(中国)

広州発

2022年05月24日

中国の広州市政府は5月9日、市内の工業用地の利用効率を高めるため、「広州市工業用地利用効率向上実施弁法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公布し、4月28日にさかのぼって施行した。2019年4月制定の弁法を改定したもの。広州市は「製造業立市」を掲げており、弁法には、同市の製造業のさらなる発展に向け、製造業企業の土地利用の優遇策と利便性向上に向けた措置が盛り込まれている。

今回の改定により、建築密度や緑地率、高さ制限などの指標の変更手続きは企業所在区の政府で行い、特殊仕様の工事プロジェクトの建設申請に対する審査は各区政府がメインで行うなど、審査のプロセスを明確化した。また、一般工業用地(注)の建物の高さ制限を40メートルから60メートルに緩和し、一般工業用地の建築面積全体に占める関連施設(オフィスビルや生活施設)の建築面積の割合規制を従前の14%以内から15%以内へ緩和した。工業用地での増築時に容積率を増やす申請手続きの簡略化や、一般工業用地の容積率を増やす場合、土地譲渡金を別途徴収しないとする既存の優遇策は維持した。

広州市内の地場系デベロッパー関係者は今回の改定について、「広州市各区レベルの政府部門がそれぞれ実施細則を制定していくため、実際の運用開始まではしばらく時間を要するだろう。プロジェクトを着実に進める上では、所在区の政府部門と密にコミュニケーションを取ることが重要」としている。

(注)一般工業用地とは、「都市用地分類・計画建設用地基準」(GB 50137-2011)に規定された一類工業用地(M1:住居や公共施設などの環境に基本的に影響や汚染を及ぼさない工業用地)、二類工業用地(M2:住居や公共施設などの環境に一定程度の影響と汚染を及ぼす工業用地)、三類工業用地(M3:住居や公共施設などの環境に深刻な影響と汚染を及ぼす工業用地)を指す。新型産業用地(M0:イノベーション型企業などの研究開発、創作、設計、試作、検査、無汚染生産など工程やその関連施設に利用される用地)は含まない。

(汪涵芷)

(中国)

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