世界トップレベルのバイオエコノミーを目指す計画発表

(中国)

北京発

2022年05月18日

中国の国家発展改革委員会は5月10日、「第14次5カ年(2021~2025年)規画バイオエコノミー発展規画の通知」(発改高技〔2021〕1850号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(文書は2021年12月20日付)。第14次5カ年規画(2021年3月10日記事参照)期間中の、ライフサイエンスやバイオテクノロジーを活用したバイオエコノミーの発展方針を定めたもの。

目標として、GDPに占めるバイオエコノミーの比率増加や、ライフサイエンスの基礎研究費やバイオ産業の研究開発費の大幅な増加、突発的な感染症などへの対応メカニズムの構築、先端技術・人材・資本といったイノベーションに関わる要素の流動性向上などを図るとしている。これらを通じて、2035年までにはバイオエコノミーの総合的な実力を世界トップレベルとすることを目指す。

重点的に発展を目指す分野として(1)医療・ヘルスケア、(2)食品、(3)グリーン・低炭素排出、(4)バイオセーフティー(注)の4つが挙げられている。

(1)では、薬品、ワクチン、先端診断技術・設備、医療用素材、精密医療、検査などを重点とし、イノベーション能力の向上、薬品の監督・管理や科学研究の強化、先端バイオ医薬品や関連設備に関するサプライチェーンの増強などを挙げている。

(2)では、育種、肥料、飼料、農薬を重点とし、次世代農産品の生産やバイオ農業モデル普及システムの構築、遺伝資源の保護、開発、利用に関する産業システムの整備などを行い、国家の食糧安全保障にも資するとしている。

(3)では、バイオベース材料、発酵製品、バイオマスを重点とし、バイオマス循環利用技術体系の構築、環境汚染からの回復や廃棄物の資源化利用の推進などを進める。

(4)では、国のバイオセーフティーリスク予防とガバナンスシステム構築を重点とし、バイオセーフティーポリシーの策定や、リスク評価、緊急対応、情報共有、関連の能力構築などについて2国間・多国間で協力と交流を行うとしている。

中国科学院の徐涛院士は「米国、ドイツ、英国、フランス、日本などはいずれも、国の科学技術研究機関やレベルの高い研究型大学を支援し、バイオサイエンスの発展を支える一流の科学技術関連施設とイノベーションプラットフォームを構築した」として、国による支援の重要性を強調している(「国家発展改革委員会ウェブサイト」5月10日)。

(注)中国生物安全法では、「国が効果的に生物的危害要因および関連のリスク要因について予防・対応し、バイオテクノロジーが安定して健全に発展し、人々の生命・健康とエコロジーシステムが相対的にリスクなく脅威を受けていない状態で、バイオ分野での国の安全維持と持続的発展能力を備えていること」とされている。

(河野円洋)

(中国)

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