富士通、ベンガルールに新たな研究拠点を設立

(インド)

ベンガルール発

2022年05月11日

富士通は4月18日、インド南部・ベンガルールに新たな研究拠点を設立し、インド工科大学ハイデラバード校(IIT-H)、インド理科大学院(IISc)と共同研究を開始したことを発表した。AI(人工知能)や量子ソフトウエア分野を中心とした研究を行うほか、これら分野における優れた人材の確保にも取り組む。

新たな拠点は「富士通リサーチオブインディア(FRIPL:Fujitsu Research of India Private Limited)」。AIやコンピューティングをはじめとする、富士通の注力領域における研究開発で欠かせないソフトウエア技術の強化を目的として、2022年4月1日に設立された。IIT-Hとは、幾何学的統計理論に関する同大学の知見と、富士通が持つ大量データから因果関係を高速に抽出する技術を組み合わせ、さまざまな事象における因果関係を高精度に推定するためのAI技術を研究する。また、IIScとは、同大学の深層学習の研究によって蓄積された技術と、同社の強化学習などの適応型機械学習に関する知見を融合し、さまざまな環境下でも変化に応じて学習するAIの実現を目指す。

同社執行役員SEVP CTO(最高技術責任者)ヴィヴェック・マハジャン氏によると、今回の拠点設立の最大の理由は、「世界トップレベルの多くの研究者を獲得し、世界のソフトウエア技術を牽引する現地の研究機関や大学とよりスピーディーかつ挑戦的な共同研究を行うため」だという。インド国内で優秀な人材を継続的に採用し、2024年度には研究者を50人規模に拡大する計画だ。将来的にはセキュリティなどにも研究分野を広げ、日本や欧米などの研究拠点と連携しながら、世界最先端のソフトウエア研究開発を担い、世界的に広く流通するソフトウエアの創出を目指す考えだ。

写真 FRIPL開所式の様子。左からマノハル・カウル氏(FRIPL研究開発部長)、豊田建氏(富士通理事SVP 研究マネジメントセンター長)、原裕貴氏(富士通執行役員EVP兼FRIPL代表取締役社長)、ヴィヴェック・マハジャン氏(富士通執行役員SEVP CTO)(富士通提供)

FRIPL開所式の様子。左からマノハル・カウル氏(FRIPL研究開発部長)、豊田建氏(富士通理事SVP 研究マネジメントセンター長)、原裕貴氏(富士通執行役員EVP兼FRIPL代表取締役社長)、ヴィヴェック・マハジャン氏(富士通執行役員SEVP CTO)(富士通提供)

(倉谷咲輝)

(インド)

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