米メタ、メタバースを体験できる初の実店舗「メタストア」を開設

(米国)

ニューヨーク発

2022年05月02日

米メタ・プラットフォームズ(旧:フェイスブック)は4月25日、同社初となる実店舗「メタストア」をカリフォルニア州バーリンゲームに出店すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。広さは約1,550平方フィート(約144平方メートル)で、5月9日に同社の敷地内に開設する。

店舗では、同社が注力する「メタバース(仮想空間)」関連のハードウエアを取り扱い、消費者が実際に製品を試す場を設けることで、メタバースへの関心を高める狙いがある。例えば、仮想現実(VR)ヘッドセットの「メタ・クエスト2」や、ビデオ通話端末「メタ・ポータル」のほか、サングラス・眼鏡メーカーのレイバンと共同開発したスマートグラスの「レイバンストーリーズ」などの製品を体験できる場所を提供する。ヘッドセットを装着して自由にメタバースを体験できるステージがあり、ヘッドセットの装着者が見ている映像が巨大なLEDスクリーンに映し出され、その場にいる人々もそのまま同じ映像を見ることができる。また、同社はウェブサイトに「ショップ」タブを追加、オンラインでもハードウエアを簡単に購入できるようになっている。

写真 店内の様子(メタ提供)

店内の様子(メタ提供)

写真 仮想現実(VR)ヘッドセットを装着した顧客の様子(メタ提供)

仮想現実(VR)ヘッドセットを装着した顧客の様子(メタ提供)

同店舗の責任者であるマーティン・ギリアード氏は「メタストアは、わが社の製品が将来的にメタバースへの入り口になりうるということを、人々に伝えるための場所だ」、「当社の製品がメタバースとつながるのにいかに役立つかについて、来場者に少しでも知ってもらいたい」との期待を示した。

他の大手テック企業も自社製品を体験できる店舗を展開しており、2021年にはグーグルがニューヨーク市内に自社のハードウエアを扱う直営店を初めて開設した。単に製品を並べて販売するのではなく、自社の製品を活用してスマートホームを実現したコンセプトルームを設け、そこで実際の使い方を体験できるようにしている。その他、マイクロソフトは2020年に83店舗を閉鎖しているが、2021年には数店舗を「エクスペリエンス・センター(体験型店舗)」として再構築した上で、自社製品を販売するなど、消費者に売り込む新たな機会を提供している。メタはこれまでにも米家電量販店大手のベストバイと提携し、同社のVRヘッドセットを体験できるスペースを提供してきたが、今回の発表は、同社が注力するメタバースに関連した新たな製品を消費者に触れてもらう新たな機会となる。

(樫葉さくら)

(米国)

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