対ロ経済制裁が米経済に及ぼす影響への見方分かれる、米大学世論調査

(米国)

米州課

2022年05月17日

米国ニュージャージー州のモンマス大学は5月16日、ロシアのウクライナ侵攻に対する米国の対応に関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

それによると、米国がロシアのウクライナ侵攻に対して科している対ロ経済制裁を77%が支持するとしている。3月に調査した時点の81%から4ポイント低下した。また、対ロ経済制裁がウクライナ侵攻を継続するロシアの能力に「大きな効果を与える」と回答した割合は21%にとどまった。「小さな効果を与える」が半数(50%)、「全く効果がない」が24%だった。

米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターが5月10日に発表した調査結果でも、対ロ経済制裁を75%が「支持している」との結果が出るなど(2022年5月13日記事参照)、米国民は継続的に経済制裁を支持していることがうかがえる。

対ロ経済制裁が米国経済に及ぼす影響については、「大きな損害が生じる」が32%、「小さな損害が生じる」34%、「影響なし」30%と見方が分かれる結果となった。「大きな損害が生じる」とした割合の支持政党別では、共和党支持者37%、無党派層35%で、民主党支持者の23%を上回った。年代別でみると、18~34歳で31%、35~54歳で34%、55歳以上で32%と、大きな違いはみられなかった。

石油・ガス禁輸、武器供与に関しては大多数が支持

ロシア産石油・ガスの禁輸については、「支持する」が78%と高い割合を示した。支持政党別では、民主党支持者が88%と、共和党支持者(74%)、無党派層(75%)を上回った。

ウクライナへの武器供与についても、「支持する」が77%と高い数字だった。支持政党別では、民主党支持者が88%と、共和党支持者(77%)、無党派層(70%)を上回った。

ロシアのウクライナ侵攻の正当性については、「正当性がない」が90%と高かった。

バイデン政権の対応については、43%が「支持する」としている。支持政党別では、民主党支持者の大多数(78%)が支持しているが、無党派層(42%)は半数に満たず、共和党支持者は12%にとどまった。

(注)実施時期は5月5~9日。対象者は全米の成人807人。

(松岡智恵子)

(米国)

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