輸入にかかるL/C開設時の保証金が引き上げに、輸入に影響の可能性

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年05月30日

バングラデシュでは、国際的な資源価格の高騰やタカ安傾向などから急増する輸入額を受けて、4月末時点の外貨準備高が、440億1,760万ドルに減少した(2022年5月18日記事参照)。2022年3月単月の輸入額(77億2,460万ドル)を基準とすると、約5.7カ月分相当となる。

バングラデシュ銀行は、5月10日、外貨準備高の減少を抑止するため、信用状(L/C)開設時の預託金に関する通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発出した(添付資料参照)。

4月11日の通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、生活必需品(ベビーフード、燃料、医薬品、地場産業・輸出志向型産業や農業にかかる品目を除く)については、輸入時のL/C開設時に最低25%の保証金を拠出する必要があったところ、以下のとおり、L/C開設に関する条件を強化した。

  • 自動車(セダン、SUVなど)、電化製品の輸入については、輸入額の75%以上の保証金
  • その他の輸入品については50%以上の保証金(ベビーフード、必需食料品、燃料、保健省に認可された生命維持の治療にかかる医薬品、地場産業・輸出志向型産業や農業にかかる品目、政府の優先プロジェクト実施にかかる資本財や原材料は対象外)

バングラデシュ政府としては、輸入時のL/C開設時の保証金の増額が、輸入者による運転資金の流動性に影響を及ぼすことで、輸入の抑止につなげることが狙いだ。

設備機器を輸入する日系企業によると、本措置によりローカル代理店の輸入に影響が及んでおり、今後の状況について懸念を示している。また、輸入ベースでの事業を行う日本企業には直接的な影響が及ぶ可能性があり、今後の輸入額や外貨準備高、対ドル為替レートに注視が必要だ。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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