金属加工機械展、外国企業の参加が大幅減
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2022年05月31日
モスクワ市中心部に近い展示会場エクスポセンターで5月23日から27日にかけ、「メタルオブラボトカ2022」が開催された。金属加工を中心とする工作機械分野のロシア最大級の見本市で、1984年の初回から数えて通算22回目の開催。
展示スペースは合計2万4,959平方メートル。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年の6割の面積にとどまったが、来訪者数は2019年を上回る3万6,400人(速報値)となり、会場内では活発にコンタクトや商談を行う姿が目立った。
参加企業はロシアを含めて18カ国・地域の608社を数えた。2019年の1,186社、2021年(注)の790社を下回った理由は、欧米諸国を中心とした外国企業の大幅な減少だ。ロシアに対する経済制裁が影響しているとみられる。例年は大規模出展を行う中国やドイツも今回は影が薄く、ナショナルパビリオンはベラルーシ(19社出展)のみだった。ロシア以外で2桁の出展企業数があったのはベラルーシ(19社)、トルコ(14社)、イタリア(11社)だった。
対ロ経済制裁の影響で、工作機械類の調達先の多角化がロシア産業界の大きな課題となっている。国内メーカーも外国企業の穴を埋めるべく販売先の拡大を狙うが、精度などの問題ですぐに外国製品にとって代わるのは難しいとみられる。外国ブランド製品を取り扱う代理店はジェトロの取材に対し、「外国製品へのニーズが消滅することはない。サプライヤー側もそれに応え、第三国で生産したものを輸出するなどの対応を取っており、新たな輸送ルートも開拓している」と明かした。
(注)2020年は新型コロナ感染症拡大のため中止。
(欧州ロシアCIS課)
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