仮想通貨取引所のFTX US、本社を米サンフランシスコからシカゴに移転

(米国)

シカゴ発

2022年05月19日

大手仮想通貨(暗号資産)取引所FTXの米国法人FTX USは5月10日、シカゴに新本社を開設した。FTX USは、2019年にカリブ海のアンティグア・バーブーダで設立され、バハマに本社を置くFTXの米国法人で、2020年にサンフランシスコに設立された。

また、同日にはシカゴ市と地域支援団体エクイティ・アンド・トランスフォーメーション(EAT)と提携し、市民向けに所得保障・金融包摂(注)プログラム「FTXパイロット」を2022年秋から試験的に開始すると発表した。プログラムの内容はシカゴ市とEATの所得保障プログラムを補完するもので、低所得者層の市民100人に対し、毎月500ドルを支給するほか、金融リテラシー教育、投資商品へのアクセスが可能な手数料無料の銀行口座の開設、VISAデビットカード支給といった特典を1年間にわたり提供し、参加者の福祉向上などを促すのが目的だ。

今回のシカゴへの移転に当たり、FTX USのブレット・ハリソン社長は「最大級の取引所やトレーディング会社、ヘッジファンド、ハイテク企業などがあるシカゴで、業界の一翼を担えることに大きな喜びを感じる」と期待感を示した。また、同社の支援プログラムに対し、シカゴ市のロリ・ライトフット市長(民主党)は「(新型コロナウイルスの)パンデミック後の復興をより公平で包括的なものにするだろう」とコメントした。

シカゴ市へのフィンテック企業の移転、拡大進む

シカゴ市ではフィンテック分野への投資が拡大しており、2021年の同分野のベンチャーキャピタルの投資額は前年比約2倍の約46億ドルと急拡大をみせた。こうした成長に後押しされ、2022年3月には電子決済分野のユニコーン企業ストライプがシカゴでのオフィス規模の拡大や従業員数百人の追加雇用を発表するなど、近年、フィンテック企業のシカゴへの移転、規模拡大が進んでいる。シカゴ市に拠点を構えるフィンテック企業は300社を超えており、ニューヨーク、サンフランシスコに次ぐ第3の選択肢として、今後の行方が注目される。

(注)貧困や差別にかかわらず、全ての人が金融サービスを受けられること。銀行口座を持たない人などが利用できる仕組みとして、近年、仮想通貨(暗号資産)をはじめとしたフィンテックの活用が注目されている。

(小林大祐)

(米国)

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