HIFグローバル、カーボンリサイクル燃料の北米初の生産拠点にテキサス州マタゴルダ郡を選定

(米国、チリ)

ヒューストン発

2022年05月02日

カーボンリサイクル燃料(e-fuel)を開発・製造するチリのHIFグローバルは4月28日、北米初となる同燃料の産業向け生産拠点の立地先として、米国テキサス州のマタゴルダ郡を選定したことを発表した。マタゴルダ郡はヒューストンの南西約82マイル(約131キロ)、メキシコ湾沿岸に位置している。

同社の発表によれば、約60億ドルを投資して、年間最大約2億ガロン(約7億6,000万リットル)のカーボンニュートラルなガソリン代替燃料を生産する。これにより、米国内の40万台以上の自動車の脱炭素化を見込めるとしている。2023年に建設に着工し、2026年の操業開始を目指す。また、生産拠点の建設段階で約3,000人の直接雇用を創出予定だとしている。

同社が生産を予定している代替燃料は、既存のエンジンやインフラに手を加えることなく、自動車に使用することが可能だ。大気中から回収した二酸化炭素(CO2)と再生可能な風力発電によるグリーン水素を組み合わせて製造される。

同社米国法人のレナト・ペレイラ最高経営責任者(CEO)は「われわれがこの地を選んだのは、インセンティブ支援、利用可能な不動産、税制や規制の安定性、責任ある持続可能な経済開発を通じた環境保護に対するコミットメントというユニークな組み合わせがあったからだ。カーボンニュートラルな燃料は、エネルギー分野の次なるフロンティアであり、再生可能な資源を活用することによって、現在の移動型経済をさらに活性化できる」と述べている。

なお、類似の取り組みとして、三菱重工業は2022年4月22日、CO2および再生可能エネルギーから生成可能なカーボンリサイクル燃料の日本市場への展開について、同燃料への先進的な取り組みを実施している米国インフィニウム(本社:カリフォルニア州サクラメント)と共同で検討するため、覚書(MOU)を締結したと発表している(2022年4月26日記事参照)

(沖本憲司)

(米国、チリ)

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