韓米商務長官会談を開催、「サプライチェーン・産業対話」のMOUを締結

(韓国、米国)

ソウル発

2022年05月24日

韓国産業通商資源部は5月21日、イ・チャンヤン同長官と米国のジョー・バイデン大統領の韓国訪問に同行したジーナ・レモンド商務長官との間で「韓米商務長官会談」を開催し、「サプライチェーン・産業対話」の了解覚書(MOU)を締結したと発表した。

会談で両長官は、グローバルサプライチェーンの危機、先端技術を巡る競争の深刻化、従来の(グローバル・バリューチェーン)(GVC)の脆弱化で不安定さが増大していることなどにより、両国間の協力が重要であるとの一致した見解の下、以下について議論した。

1.インド太平洋経済枠組み(IPEF)

韓米首脳会談において、韓国がIPEFへの参加を表明したことを受け、イ長官は、韓国はデジタル、サプライチェーン、クリーンエネルギーなどで強みを持っていることから、主導的な役割を担う計画であると強調した。

2.韓米半導体協力

イ長官は、韓国大企業の米国半導体分野への投資に関し、米国商務省による支援の継続と、大企業とともに進出した中小企業への支援を要請した。さらに、2021年11月に合意した韓米の「半導体パートナーシップ対話(SPD:Semiconductor Partnership Dialogue)」(2021年12月13日記事参照)および、閣僚級に格上げされた「サプライチェーン・産業対話」を積極的に活用していくことを提案した。特に、両国がシステム半導体(AI半導体、パワー半導体、先端センサーなど)協力が必要な部分を積極的に発掘し、具体的な協力プログラムに発展させることを提案した。

3.その他

(1)イ長官は、韓米FTAが発効10周年を迎え、その間、韓国の対米投資は3倍、米国の対韓投資は2倍に増加したという成果を受け、さらなる協力として両国の投資誘致機関(韓国:KOTRA、米国:Select USA)の協力も拡大したいと述べた。

(2)イ長官は、サプライチェーン安定化に向け、韓国産鉄鋼製品の市場アクセス改善が必要と強調し、米通商拡大法232条の柔軟性の向上を要請した。

さらに、両長官は、年1回、デジタル経済、先端産業および回復力の高いサプライチェーンの構築、ヘルスケア技術、輸出規制など、産業協力・経済安全保障の懸案について議論する「サプライチェーン・産業対話」設置のMOUを締結した。

(当間正明)

(韓国、米国)

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