バイデン米大統領、沖縄復帰50年にメッセージ、日本は今では最も緊密な同盟国に

(米国、日本)

米州課

2022年05月16日

米国のジョー・バイデン大統領は5月15日、沖縄が日本に復帰してから50年を迎えたことに合わせてメッセージを発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

バイデン大統領はメッセージの中で、第二次世界大戦における沖縄戦は最も凄惨な戦いの1つだったと述べた上で、「そこから数十年かけて、日米関係は戦場での敵同士から共通の目的で結ばれた同盟国へと変貌を遂げ、今では最も緊密な同盟国となった。沖縄の返還は、日米関係の1ページが終わりを告げ、新たな関係が始まったことを意味した」と記した。また、「日米同盟は、共通の価値観と自由で開かれたインド太平洋という共通のビジョンに基づき、かつてないほど強固なものになっている」「この重要な記念日に際し、沖縄県民の皆さまのご多幸をお祈りするとともに、日米の深い友好関係を確認するために来週日本を訪れることを楽しみにしている」と書かれている。

バイデン大統領は、5月20~24日に韓国および日本を訪問し、東京で開かれる米国、日本、インド、オーストラリアの4カ国(クアッド:QUAD)首脳会議にも出席する予定だ(2022年4月28日記事参照)。5月9日、米国のシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)主催のウェビナーに登壇した冨田浩司駐米大使は「大統領の訪日に合わせて、バイデン政権が準備を進めるインド太平洋経済枠組み(IPEF)の正式な立ち上げが行われることを期待している」と述べており(2022年5月10日記事参照)、米国主導の新たな経済圏の発足に注目が集まっている。

沖縄県宜野湾市では5月15日、沖縄復帰50周年記念式典が開催され、天皇皇后両陛下(オンライン)、岸田文雄首相、ラーム・エマニュエル駐日米国大使らが出席した。玉城デニー沖縄県知事は式辞の中で、日本政府に対して、全ての県民が真に幸福を実感できる、平和で豊かな沖縄の実現に向けて誠心誠意取り組むよう要請した。また、エマニュエル大使は「より良い未来を築くために、われわれは教育や環境に関するパートナーシップを通じて、沖縄の人々への投資も行っている。このような未来への贈り物として、在日米国大使館・領事館が、沖縄の高校生を対象とした2年間の英語学習奨学金プログラムを本年設立することをここに発表する」などと述べた。

(片岡一生)

(米国、日本)

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