アンドラ・プラデシュ州、電力供給制限措置を解除

(インド)

チェンナイ発

2022年05月19日

アンドラ・プラデシュ(AP)州電力規制委員会(APERC)は5月18日、州内工業分野に通達していた電力供給量制限を解除PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。4月からの電力供給量制限は、新型コロナウイルス感染拡大の落ち着きに伴う経済回復、農産物の収穫最盛期、および気温上昇によるエアコンなどの電力需要期と重なったための一時的措置となっていた。

APERCが4月11日に通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)していた電力供給量制限は、4月8日から工業分野において連続生産企業の契約電力量を50%に制限、非連続生産企業(休業日を設けている工場)は電力使用停止日を日曜日に加えて1日追加という内容であった。制限対象には、日系企業が多く入居するスリ・シティ工業団地も対象に含まれており、入居する日系企業22社も対策を余儀なくされていた。

その後5月9日付けで通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が発表され、一部緩和措置もとられていた。同通達では、連続生産工場は午前9時から午後6時までの操業に限り契約電力量の70%に緩和、非連続生産工場は電力使用停止日が1週間に2日から1日に短縮され、操業は、午後6時までの日中のみ、かつ1シフトに限り可能となっていた。

現在ではAP州における電力供給制限措置は解除されたものの、電力源の約40%を石炭火力発電に頼る同州は、今年1月のインドネシア産石炭輸出制限に端を発する世界的な石炭価格の上昇、ロシアのウクライナ侵攻の影響を受けた石炭価格の更なる高騰、現地民間企業から調達を確定していた南アフリカ産石炭の価格高騰によるキャンセルなど、今後石炭在庫不足からの火力発電供給能力減の懸念がある。AP州に進出している日系企業は、引き続き本制限を巡る今後の動向を注視しているようだ。

(淺羽英樹)

(インド)

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