「国家安全法」改正草案が立法院を通過、経済スパイ罪など規定

(台湾)

中国北アジア課

2022年05月27日

台湾法務部は5月20日、「国家安全法」の改正草案が立法院の第三読会(立法に必要な3回の審議)を通過したと発表した(法務部プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。今回の改正は、ハイテク産業の競争力保護を拡充し、経済発展を強固にするとともに、台湾の重要コア技術に関する営業秘密が域外の敵対勢力など(注)によって侵害されないようにするため、当局が核心的なコア技術に関わる営業秘密の階層的保護システムを積極的に構築することなどを目的としている。

法務部によると、今回の改正の要点は「経済スパイ罪」と「国家核心コア技術営業秘密の域外使用罪」の追加だ。「経済スパイ罪」では、重要コア技術営業秘密を窃取、横領、だまし取り、脅迫、無断複製、あるいはその他の不正な方法で取得・使用・漏えいした場合、5年以上12年以下の懲役と、500万台湾元以上1億台湾元以下(約2,150万円以上4億3,000万円以下、1台湾元=約4.3円)の罰金を科される可能性がある。なお、「経済スパイ罪」に該当する案件の第1審は知的財産・商業法院の管轄となる(「中央社」5月20日)。

「国家重要コア技術営業秘密の域外使用罪」では、台湾域外で重要コア技術に関する営業秘密を使用した場合は、3年以上10年以下の懲役と、500万台湾元以上5,000万台湾元以下の罰金を科される可能性がある(「中央社」5月20日)。

(注)外国など、台湾外の敵対勢力や、それらによって設立または実質的に管理されている組織や機関、団体、またはその派遣員など。

(柏瀬あすか)

(台湾)

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