米労働者の7割近くが職場通勤強制で転職を検討と回答、民間調査

(米国、カナダ)

ニューヨーク発

2022年05月09日

給与計算など企業向けサービスを展開する米国のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP、本社:ニュージャージー州)が4月26日に公表した調査PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、新型コロナウイルス感染者数の減少などにより、在宅などのリモートワークからオフィス勤務復帰を強制された場合、米国の労働者の7割近くが転職を検討すると回答したことが明らかとなった。

同調査は欧州、アジア大洋州、北米、南米地域の17カ国の労働者、約3万3,000人を対象に2021年11月1~24日に実施され、北米は米国、カナダの約3,800人が対象となっている。

このうち、雇用主からオフィス勤務復帰を強制された場合、転職を検討すると回答した労働者の割合は米国が68%、カナダが66%で、他地域の欧州65%、アジア大洋州64%、南米53%と比べて最も高い値となった。実際に過去1年間で大きなキャリア転換を考えたことがあるとの回答は米国で70%、カナダで67%に達している。一方で、現在の仕事内容に満足しているとの回答も米国は91%と、世界で最も高い数値となっており、現状に大きな不満はないものの、在宅勤務など勤務条件が変われば転職するという、現在の米国の雇用の売り手市場を反映した結果となった。カナダは87%だった。

直近でも、コンサルティング会社のコーンフェリーが2月下旬~3月上旬に米国内約600人を対象に実施した調査では、回答者の64%がオフィス勤務を再開すればメンタルヘルスにマイナスの影響があると回答しており、米国の労働者のオフィス復帰の心理的ハードルは高い。実際にアップルではリモートとオフィスのハイブリッドワーク導入に対して、従業員から辞職も含めた強い抗議を受けているとされ、アマゾンでも週3日のオフィス勤務を計画したが、後にその決定は個別チームに委ねることにしたとされる(「ニューヨーク・ポスト」紙電子版4月1日)。

労働省の2月の雇用動態調査(JOLTS)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、自発的離職者数は435万人、離職率は2.9%に達している。離職率については、2000年に統計を開始して以来、2021年11月に過去最高の3.0%をつけてから高止まりが続く。リモートワークを含め、労働者引き止めのための勤務条件改善に、雇用主はまだしばらく頭を悩ませる状況が続きそうだ。

(宮野慶太)

(米国、カナダ)

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