L/C決済義務化措置の一部緩和

(エジプト)

カイロ発

2022年05月18日

アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は5月10日開催の経済閣僚会議において、輸入規制の一部を緩和するためのワーキンググループの設置を指示した。座長はムスタファ・マドブーリー首相が務める。

エジプト中央銀行(CBE)は2022年2月、米国政策金利上昇による外国資本の逃避や、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う石油・小麦価格など上昇の影響で外貨準備高が減少することを懸念しており、輸入を抑制する効果を狙って同年3月以降の輸入取引では原則として信用状(L/C)を利用した決済を義務付けていた(2022年2月17日記事参照)。

しかし、本制度の導入により、多くの企業がL/Cの開設に時間を要するなど円滑な貿易ができなくなっており、緩和措置が求められていた。今回のワーキンググループ設置も、当地製造業で使用される原材料や資材などを輸入規制の対象から除外することが念頭にある。今回の規制緩和の背景には、3月に大きく減少したエジプトの外貨準備高が、4月末時点では増加に転じたこともあるとみられる(2022年5月16日記事参照)。

(福山豊和)

(エジプト)

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