世界最大規模の海洋開発技術会議・展示会の米「OTC 2022」、完全対面方式で開催

(米国)

ヒューストン発

2022年05月10日

世界最大規模の海洋開発技術会議・展示会「OTC 2022外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が5月2~5日、米国ヒューストン市内のNRGセンターで、完全対面方式で開催された。主催者によると、2万4,000人以上が来場した。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年5月に開催された際の来場者数5万9,200人には及ばなかった。とはいえ、過去数度、来場経験のある日系企業の参加者は「新型コロナウイルス感染拡大前にかなり戻ってきた印象」「昨年は雇ってほしいという声掛けが多かったが、今年は部品や材料の供給依頼や、新しいビジネスでの協業など前向きなビジネスの話が多く、手応えがあった」と語っていた。

ヒューストン市のシルベスター・ターナー市長は開幕に際しての声明で、「世界のエネルギー首都(the Energy Capital of the World)として、ヒューストンは世界中の企業や個人をOTCに迎えることを誇りに思っている」「OTCは政府関係者、企業幹部、業界専門家、エネルギー分野のオピニオンリーダーなど、最も優秀な人材が集まり、見識を共有し、業界の最も緊急な課題に共同で取り組む場だ」とコメントを寄せた。

OTCは1969年から続く、海洋石油ガス開発関連技術を対象とした会議と展示会からなるイベントで、13の産業団体と学会の支援の下で開催されている。ただし、近年は、洋上風力発電や太陽光発電、水素利用などオフショアの新たな技術について議論するプログラムが増えてきている。

「OTC 2022」では、参加者の多くが、海洋石油ガス開発に関連する新技術の論文発表会のほか、石油ガス産業の温室効果ガス削減やデジタル化への取り組みに関する講演、展示会などに出席した。日本舶用工業会(JSMEA)が取りまとめるジャパンパビリオンにはINPEX、JX石油開発、ダイハツディーゼル、大同特殊鋼、日本製鉄、日本海事協会、潮冷熱、シンコー、富士貿易が出展し、日本製のオフショア関連製品のPRを行ったほか、来場した世界各国の海洋石油ガス関係者らと情報交換を行った。ジェトロはジャパンパビリオン来場者に、現地の海洋石油ガス開発と海事産業動向に関する情報提供などで支援した。

コロナ禍の影響で、OTCは2020年が中止、2021年は会期を例年の5月から8月にずらし、また初の試みとして、対面での参加に加え、バーチャルでも参加可能なハイブリッド方式で開催された(2021年8月24日記事参照)。

写真 ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

(沖本憲司)

(米国)

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