加エンブリッジ、米社とテキサス州南部の低炭素な水素・アンモニア生産施設開発で連携

(米国、カナダ)

ヒューストン発

2022年05月11日

石油ガスのパイプライン輸送を担うカナダのエンブリッジ(本社:アルバータ州カルガリー)と米国のハンブル・ミッドストリーム(本社:コロラド州デンバー、以下、ハンブル)は5月6日、テキサス州コーパスクリスティー近郊にエンブリッジが保有するエンブリッジ・イングルサイド・エナジー・センター(EIEC)に低炭素な水素およびアンモニアの大規模生産・輸出施設を建設し、同製品を共同で開発・販売すると発表した。増大する米国内外の需要に応える。

また、生産工程で発生する二酸化炭素(CO2)の最大95%は、エンブリッジが所有・運営する施設を含め、新たに開発するCO2回収インフラに貯留される。生産用に使用する原料ガスは、エンブリッジの関連会社テキサス・イースタン・トランスミッション・パイプラインにより生産施設に供給される。

エンブリッジのエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるコリン・グルエンディング氏は「EIECは既にメキシコ湾岸における米国の主要な輸出施設となっており、世界のエネルギー安全保障と持続可能性において、さらに大きな役割を果たすことになる」と述べている。

ハンブルのスティーブン・ハッカビー最高経営責任者(CEO)は「両社が持つミッドストリームの専門知識は、低炭素の代替燃料を求める市場に対して、安価な水素とアンモニアを提供する上で有利に働くと確信している」と述べている。

米国での水素製造施設に関する類似の事例としては、2021年8月12日に、コーパスクリスティー港湾庁(テキサス州コーパスクリスティー)と、石油ガスのパイプライン輸送を担うハワード・ミッドストリーム・エナジー・パートナーズ(テキサス州サンアントニオ)がハワードのハベリナ製油施設を地域初のカーボンニュートラル水素製造施設に転換する覚書を締結したことを発表している(2021年8月17日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、カナダ)

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