ハルビン市が防疫措置を段階的に緩和

(中国)

大連発

2022年05月17日

新型コロナウイルス感染拡大を受け、黒龍江省ハルビン市では4月17日以来厳しい防疫措置が実施されていた(2022年4月20日記事参照)。ハルビン市政府は5月15日、これまでの防疫措置を5月16日より段階的に緩和すると発表した。主な内容は以下のとおり。

1.インターネットカフェ、バー、ゲームセンター、浴場、個人開業の診療所、宗教施設などの密閉された施設および対面での教育・研修を行う機関を除き、各種商業施設の営業を段階的に再開する。また、飲食店における店内飲食も段階的に再開する。

2.営業を再開する施設とその従業員は企業責任と個人責任を適切に担い、ピークシフトなどの防疫措置や、ソーシャルディスタンス、健康観察などの取り組みを厳格に実施する。来客数は施設のキャパシティの50%を超過してはならない。なお、従業員が出勤する際は健康コード・行程コードと48時間以内PCR検査陰性証明書を確認する。

3.大規模の会議、イベント、展示会などの実施を段階的に再開する。その際、参加者が50人以上の場合は所属区(県)の疾病コントロールセンターの許可を取得し、100人以上の場合は市の疾病コントロールセンターの許可を取得する必要がある。また、会場では健康コード・行程コードと48時間以内PCR検査陰性証明書を確認し、検温やマスク着用を徹底すること。14日以内に陽性者が確認された都市を訪れた者および中国入国後35日未満の者の参加を禁ずる。

4.各種薬局店舗にて、解熱剤、抗生物質、咳止めや風邪薬等の販売を再開する。これら医薬品を販売する場合は、購入者の氏名や購入理由を確認し、購入者に疑わしい症状があった場合は社区に報告すること。

5.福祉施設、老人ホームなどは隔離条件を満たし、適切な医療環境や介護条件を具備していることを前提に、新規採用の従業員の受け入れや入院・入居患者に対する親族などの訪問を予約制で許可する。なお、これら施設の従業員は自宅と勤務先の間のみの移動とし、新規採用の従業員や他地域から戻った従業員については、48時間以内に2回のPCR検査を行うこと。

6.市内の小中学校、幼稚園の通学と対面での授業を段階的に再開する。

7.ハルビン市外に出る際は、48時間以内PCR陰性証明書および「龍江健康コード」(注)を所持すること。また、感染発生地域や「高」「中」リスク地区には必要がなければ行かないこと。

8.中国国内の市中感染者が所在する省(区、市)から来訪する場合および、海外から中国他都市に入国しハルビン市に移動する場合は、ハルビン市到着の2日前までに「龍江健康コード」を用いて目的地の社区に対し事前申告登録を行うこと。また、ハルビン市到着後は指定の防疫措置に従うこと。なお、黒竜江省内で国境に接している都市や「高」「中」リスク地区および省外からハルビン市に到着する者は、48時間以内のPCR陰性証明書を所持し、到着後12時間以内にPCR検査を実施すること。

9.各レベルの防疫指揮部や企業の主管(監督)部門は、事業・生産を再開した企業の防疫措置の管理・監督責任を負う。健康コード・行程コードや48時間以内のPCR検査陰性証明書の確認や清掃・消毒、体温チェック等が適切に行われているか厳格に監督する。また、ワクチン接種が完了していない従業員や指定のPCR検査を実施していない従業員が発見された場合、閉鎖など厳しい措置が取られる。

なお、例年開催されている「ハルビン国際経済貿易商談会」(2022年6月15~19日)については会期まで1カ月を切っており、同商談会の事務局を務めるハルビン国際経済貿易商談会組織委員会は、開催時期を12月に延期する方向で調整している。

(注)「龍江健康コード」とは、黒龍江省独自の健康コード。

(山口はるか)

(中国)

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