吉林省はマイナス成長、黒龍江省は中国全体の伸びを上回る

(中国)

大連発

2022年05月12日

中国の東北地域3省の統計局は、4月24、27、28日にそれぞれ2022年第1四半期(1~3月)の域内総生産(GRP)を発表した(添付資料表参照)。遼寧省は前年同期比2.7%増の6,214億7,000万元(約12兆4,294億円、1元=約20円)、黒龍江省は5.4%増の2,976億6,000万元といずれも引き続きプラス成長になった一方、吉林省は7.9%減の2,576億2,300万元と大幅なマイナス成長になった。なお、東北3省では、黒龍江省のみが中国全体の成長率(4.8%)を上回った。

吉林省では、3月に新型コロナ感染拡大で吉林市や長春市が事実上の都市封鎖状態となったことが大きく響き、マイナス成長になったものとみられる。遼寧省と黒龍江省のその他の主要経済指標をみると、工業生産や貿易で黒龍江省が中国全体を上回る伸びを示した一方、遼寧省はいずれもマイナスとなった。

一定規模以上の企業(注)の工業付加価値額の前年同期比伸び率を産業別にみると、遼寧省は、製造業(3.7%減)が減少したものの、採掘業(3.9%増)と電力・熱エネルギー・ガスおよび水の生産・供給業(6.5%増)が増加した。製造業のうち、自動車製造業(17.1%減)が前年同期(54.4%増)からマイナスに転じた一方、汎用設備製造業(11.3%増)と医薬製造業(48.8%増)などは大幅増となった。

黒龍江省は、装置工業(21.5%増)、食品工業(17.1%増)、エネルギー工業(6.5%増)、石油化学工業(1.0%増)の4大支柱産業がいずれも増加した。

貿易では、遼寧省の輸出品目をみると、機電製品(3.7%増、396億8,000万元)のうち、自動車(43.4%増、20億7,000万元)とコンテナ(47.3%増、11億8,000万元)の増加が目立った。黒龍江省は、ロシアからの原油(31.6%増、277億5,000万元)、天然ガス(2.7倍、50億元)の輸入がそれぞれ大幅に増加した。

(注)当該年の主な業務の売上高が2,000万元以上の工業企業。

(李穎)

(中国)

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