上海市では重点企業の操業再開が進む、従業員確保に課題も

(中国)

上海発

2022年05月02日

中国・上海市の新型コロナウイルス感染対策に伴う都市封鎖は3区分管理へ移行したものの、集積回路や自動車製造、装備製造、バイオ医薬など重点産業666社を中心に、操業・生産再開への動きが進みつつあるものの(2022年4月18日記事参照)、多くの工場やオフィスで操業停止が続いている(2022年4月14日記事参照)。

中国企業の操業再開状況について、4月24日付「中国新聞網」は、化学品大手の華誼新材料が通常の生産能力の50%まで回復、4月末までには75%までになる見込みのほか、上海電気核電設備は既に75%の従業員が復帰し、生産能力は約9割まで回復したと報じている。

上海市経済信息化委員会の呉金城主任は4月22日の記者会見で「重点企業の操業・生産再開は進みつつあり、自動車分野では、上海汽車集団の3つの完成車工場(上汽乗用車、上汽フォルクスワーゲン、上汽ゼネラルモーターズ)とテスラが閉鎖管理の環境下で生産を再開。上汽乗用車とテスラは4月19日に完成車をラインオフした。また、集積回路分野では中芯国際集成電路製造と上海華虹集団など、防疫物資分野では上海凱宝薬業や3M中国など、新素材分野では宝武集団、中国石化上海石油化工などがそれぞれ操業を再開した」と説明した。また、上海市の張為副市長は「最近1週間(4月16~22日)で、666社の重点企業のうち70%が既に操業を再開し、各社の稼働率も上昇している」と報告した。

このように、各社の操業の再開は進みつつあるが、従業員の確保には課題もある。長寧区にある国薬集団上海血液製品は、復帰した従業員40人のほとんどは工場所在地と同じ長寧区に住んでいる従業員で、現在、区をまたぐ従業員の復帰はまだ難しいとしている(「中国新聞網」4月24日)

(龐婷婷)

(中国)

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