南部バクリュウ省、陸上風力発電所を竣工

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年05月16日

ベトナム南部バクリュウ省において4月29日、陸上風力発電所「第5ホアビン風力発電所」〔第1期、総出力300メガワット(MW)〕の竣工(しゅんこう)式が開催された。同発電所の年間発電量は28万MWを予定しており、メコンデルタ地域最大規模の陸上風力発電所となる見込み。4月30日付の同省公報などが伝えた。

同発電所は、バクリュウ省ホアビン郡の用地(面積27.7ヘクタール)に設置され、風力タービン26基を備える。生み出された電力は、同省バクリュウ市-ザーライ町間の220キロボルト(kV)送電線を通じて、養殖施設等へと供給される予定。

開発プロジェクトの投資総額は3兆7,000億ドン(約207億2,000万円、1ドン=約0.0056円)。開発を担う地場企業のハコム・バクリュウ・エネルギーは、同発電所に引き続き、陸上風力発電所「第5.1ホアビン風力発電所」(総出力100MW)および洋上風力発電所「第5ホアビン風力発電所」(第2期、総出力300MW)を建設する予定。

バクリュウ省人民委員会のファム・バン・ティウ委員長は、竣工式の中で「バクリュウ省は、省内の全てのエネルギープロジェクトを支援し、最良の条件を整える」と強調した上で、現場や関連業界に対して、投資家が法的書類や手続を見直し、その正確性を確保できるように積極的に支援するよう指示した。

ベトナムは東南アジア諸国の中でも、風況の条件が良い国の1つで、中南部沿岸地域、中部高原地域(内陸)、南部沿岸地域が有望地域として挙げられ、バクリュウ省は、ベトナム南部に位置し、東南は南シナ海に面している。

ベトナムの2021年の電源構成に占める再生可能エネルギーの割合は27%で、風力発電の設備容量は前年から約8倍に増大した(2022年3月31日記事参照)。ベトナム政府は、最終策定に向けて調整中の第8次国家電力マスタープラン(PDP8)において、再生可能エネルギーの開発を優先的に進め、特に風力発電に注力する方針を立てているところ、バクリュウ省での風力発電所の開発は、その一端を担うものだ。

(児玉良平)

(ベトナム)

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