第1回「サムスン6Gフォーラム」開催、産官学協力の必要性を強調

(韓国)

ソウル発

2022年05月20日

韓国のサムスン電子は、5G(第5世代移動通信システム)技術をベースとした6G技術の研究を本格化させ、6Gの国際標準化と技術の主導権の確保に取り組んでいる。その一環として、2019年にサムスンリサーチに次世代通信研究センターを設立し、5G技術の競争力強化と6Gの先行技術の研究を進めている。2021年から、国際電気通信連合(ITU)無線通信部門の6Gビジョン標準化グループの議長を務めている。さらに、2022年1月には、高麗大学と6Gをはじめとする次世代通信技術を学ぶ「次世代通信学科」を契約学科として新設する協約を締結するなど、人材育成にも積極的だ。

このような中、サムスン電子は5月13日、第1回「サムスン6Gフォーラム」をオンラインで開催した。次世代通信技術である第6世代(6G)分野の世界的な専門家と学会、業界関係者が未来技術を議論し、情報を共有する場として開催された。フォーラムのプログラムや再生動画は、YouTube外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(言語:英語)で公開されている。

まず、フォーラムのあいさつの中で、サムスンリサーチのスン・ヒョンジュン所長は「6Gはさまざまな分野のサービス融合を可能にするコア技術になり、超広帯域、超低遅延、超知能化、超空間的特性を持つようになる」と述べた。特に「6G技術はあらゆるモノがつながる『超連結』の経験を人々にもたらす」とし、「まさに今が6Gを準備する適切な時期」と強調した。

フォーラムでは、午前のセッションは「6G無線インターフェース」をテーマに、午後のセッションは「6G知能ネットワーク」をテーマとし、産官学の代表がそれぞれ講演した。このうち、午後のセッションでは、オウル大学(フィンランド)のタリク・タレブ教授が「今は6G技術の発展に向け産・学・研の研究者たちが協業しなければならない時期」とし、「サムスン6Gフォーラムは始まったばかりの6G研究について、学界と産業界がアイデアと情報を交換し合える最高のネットワーキング舞台だ」と述べた。さらに、ソウル大学のシン・ビョンヒョ教授は「6G時代には通信の主体が人間から無人自動運転車、ドローン、ロボット、スマートファクトリーなどに拡大し、想像し得るあらゆるモノが超連結された世界となる」とし、「新たな次元での超連結経験のためには、これまでとは異なるパラダイムと、それを下支えするためのさまざまな新技術が必要だ」と強調した。

(当間正明)

(韓国)

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