英国議会の女王演説、経済成長と生活費軽減を優先

(英国、ウクライナ)

ロンドン発

2022年05月12日

英国議会の5月10日の開会式で、施政方針演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが行われた。エリザベス女王が演説予定だったが、チャールズ皇太子が代読した。現地報道によると、女王が欠席したのは1963年以来初。

皇太子は演説の冒頭で「政府の優先事項は、経済の成長・強化と、家庭の生活費の軽減」と述べた。さらに、地域活性化や雇用創出、国営医療サービス(NHS)の新型コロナウイルスの未対応患者減への資金提供のほか、ウクライナへの継続支援にも言及。また、生活水準向上のために経済成長を促進、公共サービスに対する持続可能な投資財源を確保するとし、財政に対する合理的な取り組みを通じ、税制改革と減税を行いながら、債務を削減するとした。

演説の中では計38の法案を提示。主なものとして、「地域活性化(レベリングアップ)と再生法案」では、各地域の発展に必要な権限を自治体の首長に与えるほか、都市計画制度を改善し、地域開発への住民の関与拡大を図るとしている(2022年2月4日記事参照)。

「エネルギー安全保障法案」では、安全で確実なエネルギー供給を維持し、世界的な価格変動から消費者を保護。低炭素エネルギーシステムを支援し、長期的にガスへの依存度を下げる(2022年4月13日記事参照)。

「金融サービス・市場法案」では、グローバルリーダーとしての英国の地位の維持・強化を目的に、英国の状況に合わせた金融サービス規制への変更や資本市場の改革などを行うとしている。

このほか、EUから継承した法律の改正や廃止を容易にし、英国がEU離脱(ブレグジット)による恩恵をより享受するための「ブレグジット自由法案」(2022年2月1日記事参照)や、経済成長とネットゼロの実現支援のためにインフラ銀行を設立する「英国インフラ銀行法案」(2021年6月21日記事参照)、個人データを保護しつつ英国企業の競争力と効率を高めるためにデータ保護体制を改革する「テータ改革法案」などを示した。

また、競争促進、消費者の権利強化、家庭や企業の保護に向けた「デジタル市場・競争・消費者法案」の草案に加え、デジタル市場や最大手のデジタル企業に対する新たなルールを設ける措置が今後公表される予定と明らかにした。

(宮口祐貴)

(英国、ウクライナ)

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