王毅・中国外相、IPEFの目的に疑問を表明

(中国、米国、日本、韓国、ASEAN、パキスタン)

北京発

2022年05月24日

中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)は5月22日(中国時間)、広東省広州市でパキスタンのビラワル・ブット外相と会談を行い、経済・貿易、反テロリズム、ウクライナ情勢の解決などの面で協力を確認した。

会談後の記者会見で王外相は、米国主導の「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」(2022年5月18日記事参照)について、「地域の協力を強化する呼びかけであれば歓迎するが、分裂と対立を作り出す企みであれば反対だ」とした。

王外相はIPEFの目的には「大きな疑問符が付く。隠された意図を見抜く必要がある」とし、賛成か反対かは(1)自由貿易を推進すべきであり、形を変えた保護主義を行うべきではない、(2)世界経済の回復の助けとなるべきであり、産業チェーンの安定を損なうべきではない、(3)開放・協力を促進すべきであり、地政学的な対立を作り出すべきではない、という基準で判断すべきだとした。その上で王外相は、米国は「環太平洋パートナーシップ(TPP)から離脱し、自由貿易と対立した」、「米中貿易摩擦を引き起こした」などと指摘し、「米国がIPEFをアジア太平洋地域での経済的覇権を維持するための政治的な道具として特定の国を排除するならば、正しい道を外れることになる」とした。

また、王外相は「中国はアジア太平洋地域における協力の提唱者、推進者、保護者である」との認識を示した。中国とアジア太平洋地域の国々の利益は一体化しており、中国はそれらの国に向けて引き続き市場を開放するとして「何らかの枠組みを作り中国を孤立させる試みは、最終的に自分自身が孤立することになる」と述べた。

王外相は米国の進める「インド太平洋戦略」(2022年2月14日記事参照)についても言及した。同戦略は中国を囲い込むためのもので、アジア太平洋地域の国々をその手先にしているとし、「必ず失敗に終わる」と述べた。

(河野円洋)

(中国、米国、日本、韓国、ASEAN、パキスタン)

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