2021年は鉄鋼需要が大きく回復も、業界団体はウクライナ情勢の影響を懸念

(EU)

ブリュッセル発

2022年05月09日

欧州鉄鋼連盟(EUROFER)は5月5日、2022~2023年EU経済および鉄鋼市場見通しPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。それによると2021年のEUの鉄鋼需要は前年比15.2%増と、新型コロナウイルス危機の影響を大きく受けた2020年(同10.7%減)から大きく回復した。2021年の域内消費向け生産量も前年比10.7%増と、2019年(同4.2%減)、2020年(同9.6%減)と比較すると、急激に回復した。輸入量(鋼片も含む)も、2019年、2020年は前年を下回り続けていたが、鉄鋼需要の回復を反映して2021年は前年比31.9%増となり、EUROFERは「著しい増加率」であり、「輸入品の流入は持続的に多いことを表している」と評価した。

また、2022年の鉄鋼需要については前年比1.9%減となり、翌年の2023年は同5.1%増と回復するとの見通しを示した。2022年が再び前年比マイナスに転じる要因として、エネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱が続いていることに加え、2月下旬に始まったロシアによるウクライナ侵攻を挙げ、「不確実性が非常に高いままで、鉄鋼ユーザー業界からの需要は引き続き弱まる可能性がある」とし、「景気後退もしくは停滞シナリオを除外できない」と危機感を示した。ウクライナ情勢について、EUROFERは現時点では予測不可能であり、その先行きとグローバル・サプライチェーンへの影響にもよるが、少なくとも2022年末までは不確実な状態が継続するとみている。 実際、鉄鋼ユーザー業界では2021年第4四半期(10~12月)、それ以前の時期と比較し、生産が著しく減退し始めていたところ、ウクライナ情勢によって状況が急速に悪化しているとし、EUROFERは、今年2月時点では前年比で約4%増としていたユーザー業界の2022年の生産高予測を約2%増に大幅に下方修正し、鉄鋼業界への影響の懸念を示した。

(滝澤祥子)

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