プーチン大統領、欧米諸国の経済制裁への対応策に署名

(ロシア)

モスクワ発

2022年03月04日

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2月28日、欧米をはじめとする対ロ制裁への対抗策として、2022年2月28日付大統領令第79号「米国の非友好的行動とそれに同調する諸国・国際機関に対する特別経済措置について」に署名した。同大統領令は即日発効した。

同大統領令では、a.外国とのビジネスを行うロシア居住者は、外貨で獲得した輸出収入の80%を入金から3営業日以内にルーブルに交換すること(2022年1月1日~2月28日に得た分は同大統領令発効後3日以内)、b.3月1日以降の非居住者に対する外貨建て貸し付けの禁止、c.3月1日以降の居住者による、国外で開設した自身の口座への外貨送金の禁止(銀行口座を経由しない電子送金サービスを含む)(注1)が定められた。

強制売却の対象は、非居住者向けの商品・サービス、知的財産を提供して得た外貨。ロシアの主な輸出商材である石油や天然ガスの輸出業者が取得した外貨を強制的にルーブルに替えること、および在ロシア外資系企業の本国への送金を制限する仕組みを通じて、ルーブルの安定化を目指す。

このほか、公的株式会社(Public Joint Stok Company)の自社株式買い戻しに関する特例も含まれた。公的株式会社は2022年12月31日まで、発行済みの自社株式を購入できる(市場全体の自社株式の削減を意図するものは除く)。通常は株式総会や取締役会の決定に基づいて行われるが、a. 2022年2月1日以降の任意の3カ月間に取得する株式の加重平均価格が、2021年1月1日以降の株式の加重平均価格と比べて20%以上下落していること、かつb.2022年2月1日以降の任意の3カ月間における主要株価指数が、2021年1月1日以降の任意の3カ月の株価指数と比べて20%以上下落している条件を満たした場合のみ、会社による買い戻しが可能とした(注2)。

公的株式会社の代表的企業は、国有ガス会社ガスプロム、大手航空会社アエロフロートなど。ウクライナへの軍事行動を機に下落した、国内主要企業の株価を安定させることが目的とみられる。

さらに同大統領令では、銀行間の資金送金の簡素化も含められた。ある金融機関が別の金融機関に送金する際、送金先の金融機関に口座がなくても顧客から書面による同意を得れば、送金先金融機関が顧客の銀行預金口座を開設することを可能とした。

(注1)一部では、コルレス口座への送金は認められると報じられたが、詳細は不明。

(注2)そのほかにも、株式の取得はブローカー業務を営む会社が仲介する必要などの条件がある。

(菱川奈津子)

(ロシア)

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