インドネシアへの出張、入国手続き・国内規制の正常化が進む

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年05月06日

インドネシア政府は、国内の新型コロナウイルス感染状況の改善に応じて、ワクチン接種完了者に対する隔離なし入国の実施や、空港での手続き簡素化、国内の活動制限緩和など、ビジネス環境の正常化を進めている。5月5日時点の情報に基づき、ジェトロが整理したところ、必要な書類や手続きや入国後の手続き、行動制限などは以下のとおり。

1.入国前に準備すべき書類・手続きなど

インドネシア入国前には、(1)ワクチン接種証明書、(2)出発前48時間以内に検体を採取したPCR検査の陰性証明書の準備が必要となる。(2)については、決まった書式はないが、英語で発行、医師の署名が付いているものとされている。最寄りの医療機関または成田空港や羽田空港、関西空港に設置されているPCRセンターで作成・取得が可能だ。

2.入国手続きの手順

インドネシア到着時に体温測定と健康チェック、上記(1)の書類の確認が行われ、入国審査(パスポート、ビザ確認)と預け入れ荷物の受け取りを行う。体温測定で37.5度以上と診断された外国人入国者は、自費で空港でのPCR検査を受診する必要がある。

現地旅行代理店によると、入国規制の緩和で入国者が増加、空港の出入国審査場では混雑がみられるという。到着から空港を出るまで、1時間半ほどかかる(4月下旬入国者の場合)。

その後は、ワクチン接種回数に応じて政府指定ホテルでの隔離の要否が分かれる。出発の14日前までに2回以上のワクチン接種が完了している場合は、隔離なしで旅程の継続が可能だ(2022年4月7日記事参照)。

3.入国後の必要手続き・行動制限

政府は現在、感染状況などに応じて県や市を活動制限レベル1から4に区分し、活動制限を課している。制限の対象は、出勤、教育活動、商業施設・飲食店・ホテルなどの営業、娯楽施設の営業、文化活動・スポーツの実施など多岐にわたる。ジャカルタ首都圏は3月8日から2番目に規制が緩やかな「レベル2」の制限を繰り返し延長しているが(2022年3月10日記事参照)、商業施設・飲食店の営業時間や収容可能人数などに関しては、一層の制限緩和が行われている(在インドネシア日本大使館外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますウェブサイト参照)。注意すべき点として、州・県・市の境を超える国内移動をする際にはワクチン接種回数に応じ、PCR検査または迅速抗原検査の陰性結果の提示が必要となる。ワクチン接種が3回完了している場合には、こうした陰性結果の提示は不要だ。

4.留意点など

入国後は商業施設や飲食店への入場、ジャカルタ都市高速鉄道(MRT)などの公共交通機関を利用する際に、政府指定アプリ「Pedulilindungi」(プドゥリリンドゥギ)によるスクリーニングを受ける。短期出張者の場合、ワクチン接種証明書をアプリに登録できないため、接種を行った国で取得したワクチン接種証明書(ハードまたはソフトコピー)の携行・提示が必要となる。大使館はワクチン接種状況のインドネシア語説明書を出張者に携行させるよう、呼びかけている(第345回海外邦人安全対策連絡協議会PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

(尾崎航)

(インドネシア)

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