バイデン米政権、バッテリーの技術革新に向けて4,500万ドルの助成を発表

(米国)

ニューヨーク発

2022年05月10日

米国エネルギー省(DOE)は5月3日、国内におけるEV(電気自動車)用バッテリーの開発を促進するため、4,500万ドルの助成プログラム「米国の低炭素生活のための電気自動車 (EVs4ALL)」を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます助成金公募番号:DE-FOA-0002760、DE-FOA-0002761外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同助成プログラムは、DOE傘下のエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)によって運営される。ARPA-Eは、エネルギーおよび環境ミッションに取り組む革新的な科学技術分野の研究開発に資金を提供しており、今回の助成金もその一環となる。バイデン政権は5月3日にも、インフラ投資雇用法に基づく31億6,000万ドルの助成金を発表しており、国内のEV用高度バッテリー技術の生産開発能力を高めることで、自動車の電動化を加速させたい意向だ(2022年5月10日記事参照)。エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官は「輸送部門の電動化が進むことで、気候変動との戦いから国内製造業における雇用の拡大、エネルギー自給の強化に至るまで、何世代にもわたり恩恵を受けることになる」と述べた。

DOEはEVs4ALLを通して、EV車両の原価低減や利便性、信頼性、安全性の向上に資するバッテリーの原材料、電極およびセルの設計段階での技術革新の促進を目指しており、これらを実現するために、以下の性能などを保証するプログラムに重点を置くとしている。

  1. 高速充電の実現:5~15分間でバッテリーセル容量の80%を充電
  2. 効率の向上:低温時のパフォーマンス損失を少なくとも50%削減
  3. 回復力の向上:走行距離が20万マイル(約32万キロ)の時点で、初期値に対して最低90%のバッテリー容量を保持

助成金の受領資格は、国内の企業、地方自治体、高等教育機関、NPOなどを含む事業体と個人(米国籍および永住権保有者)で、外国の事業体が主な受領者となる場合は、国内の子会社などを指定する必要がある。ARPA-Eは助成金に対する質問を2022年6月6日まで受け付ける。申請書提出の締め切り日は未定。

(大原典子)

(米国)

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