第1四半期のGDP成長率、前年同期比5.01%、前期から横ばい

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年05月19日

インドネシア中央統計庁(BPS)は5月9日、2022年第1四半期(1~3月)のGDP成長率を前年同期比5.01%と発表した。4四半期連続でのプラス成長となり、成長幅も2021年第4四半期(10~12月)の同5.02%成長と同水準を維持した(添付資料図参照)。BPSのマルゴ・ユオノ長官は、高い成長率は社会活動が回復してきていることの表れとした一方で、2021年第1四半期の成長率が低かったことの反動とも言及した(「コンタン」紙5月9日)。

支出面からみると、公的支出を除く全ての項目でプラスとなった。公的支出は7.74%減だった。GDPの5割超を占める消費は4.34%増と、前期と比較し成長幅が拡大した。輸出は16.22%増、輸入は15.03%増だった。産業別では、行政・防衛・社会保障(1.45%減)と教育サービス(1.70%減)を除きプラス成長となった。運輸・倉庫は15.79%増と全セクターで最も成長率が高かった。次いで、その他サービス(8.24%増)、情報・通信(7.14%増)、電気・ガス(7.04%増)が高い成長率だった。その他、GDPに占める割合が大きい製造業や卸売り・小売り・二輪四輪修理も、それぞれ5.07%増、5.71%増と相対的に高い成長率となった。

地域別では、マルク・パプア地域が10.75%で、最も高い成長率だったほか、GDPの6割弱を占めるジャワ島は5.07%増だった。ジャカルタ首都特別州での成長率は4.63%となり、2021年第4四半期の成長率から0.99ポイント上昇した。

経済担当調整府のイスカンダル・シモランキル副大臣は、断食明け大祭(レバラン)の需要増や行動制限の緩和を背景に、2022年第2四半期(4~6月)はさらに経済回復と成長が進むとの見通しを示した。一方で、インドネシア経済改革センター(CORE)のエコノミスト、ユスフ・レンディ氏は「新型コロナウイルス禍前の経済成長水準を達成するには、財政政策の支援が必要だ」と主張した。同氏は、消費は4.34%増となった一方で公的支出が大幅減となったことに触れ、政府は現在の回復傾向を維持するために、効果測定が可能な財政政策を打つ必要があるとした(「Republika」5月9日)。

(尾崎航)

(インドネシア)

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