安徽省合肥市が空運と水運の輸送能力を拡大、上海の物流停滞の影響回避を図る

(中国)

上海発

2022年05月10日

中国・安徽省の新型コロナウイルス感染者数(無症状感染者を含む)は、4月前半には1日当たり100人に迫る日もあったが、5月1日以降は1日当たり0~2人の状況が続いている(添付資料図参照)。省都の合肥市では、公共施設や商店などに出入りする際や、中高リスク地域から同市を訪れる人などに対する感染防止対策が強化されている。また、5月5日と6日には、労働節(4月30日~5月4日)間の人の往来による感染拡大を防ぐため、市内で一斉にPCR検査が実施された。

安徽省の感染者数は抑制されているが、合肥市に拠点を持つ企業の中には、上海市で続く3区分管理による物流停滞の影響(2022年4月4日記事参照)を受けている企業もある。こうした状況を受け、合肥市政府は国際物流のスムーズな流れを維持するべく、空運と水運における対策を実施している。

空運では、「韓国仁川-合肥」の定期貨物便を従来の週2便から3便に増加した。また、「大阪-仁川」のルートを新たに設け、大手液晶パネルメーカーの京東方科技集団や大手集積回路メーカーの晶合集積電路などの重点企業が必要とする原材料の輸入ルートを確保している。4月1日から25日までにこれらのルートで輸送された貨物量は、前月の同期間に比べ10倍以上となり、輸入された原材料は数量ベースで131トンにのぼった。

陸送から水運への切り替えも行っている。合肥-蕪湖、合肥-寧波間の水上航路の運送力を引き上げるとともに、上海-合肥航路の運航回数を増加させることで、フォークリフト製造大手の安徽合力や冷蔵庫メーカーの合肥華凌などの重点対外貿易企業の運送需要に対応した。さらに、「合肥-寧波陸改水業務操作プラットフォーム」を立ち上げ、寧波港から輸出する貨物を合肥から寧波へ水運で運ぶことにより、上海の輸送サプライチェーンの閉鎖による影響を回避し、スムーズな国際物流を維持している。家電大手の美的集団の子会社の合肥美的と、ハイテク企業である合肥恒鑫環保科技が、4月1日から25日までに陸送から水運に切り替えて輸出した貨物の量は合計2,500トンに達している。

(侯恩東)

(中国)

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