ロシア向け新規投資禁止の概要を解説、モスクワ・ジャパンクラブ

(ロシア、日本)

欧州ロシアCIS課

2022年05月02日

モスクワ・ジャパンクラブは4月27日、対ロシア経済制裁措置(新規投資規制)が日本企業に与える影響について、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業から講師を招き、ウェビナーを開催した。

5月12日に発効する日本の新たな経済制裁措置には、新規直接投資の禁止が含まれた。4月6日に米国がG7諸国と協調して講ずると発表した措置に準ずるものだが、内容が必ずしも明確でないために、在ロシア日系企業から戸惑いの声が上がっていた。

講師の松嶋希会弁護士は、関係省庁への問い合わせの結果も踏まえ次のように説明した。

5月12日以降、許可の対象となるものは、例えば、a.ロシア法人設立、b.既に持ち分10%以上を有するロシアの会社への増資、c.持ち分10%以上を有するロシアの会社への1年を超える長期の貸し付けなど。ロシア子会社に対する資産の拠出(注)も対象となる可能性があるので注意を要する。

日本企業の欧州統括会社(100%子会社)のロシア子会社に対する日本本社からの長期貸し付けや、欧州統括会社がロシア子会社に貸し付けることを想定して、日本本社が欧州統括会社に長期貸付を行うことも、許可対象となり得る。

欧米の新規投資規制はまだ定義が確定していない部分もあるが、過去の事例を見ると「既存案件の維持・補修」などは対象外となる例がある。その一方、日本の場合には、許可対象は「事業」とのみあり、基本的には全ての活動が含まれると解釈できる。保守的な見方をする場合には、既存事業に対する資金供与も許可対象となる。

繰り返しの短期(返済期間1年未満)の貸し付けなど、形式上は許可不要とみられるものもあるが、担当官庁や専門家などへの個別の確認が必要になる。

支店や駐在員事務所への送金は、人件費や水光熱費など一般管理費などの送金は許可対象とはならない。ただし、支店などの事業所の拡張(固定資産、繰り延べ資産の増加を伴うもの)は許可の対象になる。

(注)親会社から当該法人への、株式や議決権の取得を伴わない資本金の追加拠出。拠出した資金は原則として拠出元に戻ってこないため、日本では増資とみられる可能性がある。

(欧州ロシアCIS課)

(ロシア、日本)

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