英ロイヤル・メール、郵送へのドローン利用拡大へ

(英国)

ロンドン発

2022年05月18日

英国の郵便事業会社ロイヤル・メールは5月12日、ドローン物流企業ウインドレーサーズと提携し、今後3年間で50以上の配達用ドローンルートを新設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。英民間航空局(CAA)の許可を得たのちに実施する。

今回のパートナーシップを通じ、遠隔地の顧客に対し、より迅速および便利なサービス提供のため、無人ドローンや無人航空機などの運用を行う。長期的には、英国全土にサービスを提供できるよう、500機以上のドローンを配備することを目指す。

新サービスの対象ルートには、シリー諸島、シェトランド諸島、オークニー諸島、ヘブリディーズ諸島などが指定されている。無人航空機の利用により、二酸化炭素(CO2)排出量の削減や、現在船や陸路などを利用していて悪天候に影響されやすい島内郵便サービスの信頼性の向上などのメリットがあるとしている。ロイヤル・メールは既に一部の地域でトライアルを実施している。

コンソーシアムがドローン用ハイウェイ計画案発表

英国内のドローン関連動向としては、英ドローン関連ソフトウエア企業アルティテュード・エンジェル率いるコンソーシアムが3月に、国内各都市をつなぐドローン専用ハイウェイ「プロジェクト・スカイウェイ」の計画案を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。レディング、オックスフォード、ミルトン・キーンズ、ケンブリッジ、コベントリー、ラグビーなど、英国中央部と南東部などの上空をドローンの「ハイウェイ」とする計画。計画が承認されれば南部沿岸のサウサンプトンや東部沿岸のイプスウィッチまで延長される可能性もあるとする。

運用者が限られていた既存の飛行ルートと異なり、本計画では基本的な技術を有する企業のドローンであれば、ハイウェイを利用した長距離の運用を可能にするとしている。また、ハイウェイの飛行については、飛行許可の要求、承認、衝突回避などを、ソフトウエアを通じて一括して行うとしている。

4月25日には、自律型配送ドローンなど向けの陸上インフラ開発企業アーバンエアポートが、イングランド中部のコベントリー市に世界初となる自律型貨物ドローンや電動垂直離着陸機向けのハブ「エア・ワン」を設置。貨物の積み込みや充電などの実証を行うとしている。

(オステンドルフ・七海・ありさ)

(英国)

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