チリへの渡航、PCR検査の陰性証明書は不要も乗り継ぎ地の要件に注意

(チリ)

サンティアゴ発

2022年05月09日

チリへ入国するすべての渡航者は、5月5日時点ではPCR検査または抗原検査の陰性証明書を提出することなくチリへ入国することが可能となっている。主な入国手続きや必要書類は次の通り。

1.入国前に準備すべき書類・手続きなど

チリ政府は4月14日より開始した新たな国境保護計画(Plan Fronteras Protegidas)に沿って国境保護を行っており、現在は3つある警告レベルのうち、一番規制が緩和されている状態の「警告レベル1」となっている(2022年4月15日記事参照)。よって、ワクチン接種の有無に関わらず、すべての渡航者がチリに入国することができる。入国に必要なのは、宣誓供述書(C19外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の入力と、海外旅行保険(非居住外国人の場合)の2点となっている。宣誓供述書には、個人情報や滞在先の情報などを入力する必要があり、入力から48時間の有効期限があるため、チリ到着時に有効である必要がある。また、同供述書の添付書類という位置づけの海外旅行保険については、新型コロナウイルス関連の疾病がカバーされており、かつ最低補償金額が3万ドル以上であることの確認がチリへの入国時に行われた例が報告されているため、その内容がスペイン語または英語で記載された書面を用意する必要がある。

4月14日以前まで入国要件となっていたPCR検査または抗原検査の陰性証明書の提出ついては、警告レベル1である5月5日現在、推奨はされるものの義務ではなくなった。また、非居住外国人が入国する際の必須条件となっていた、ワクチン接種を証明する特別移動許可証(Pase de movilidad)の取得についても、必須ではないとされている。しかしながら、世界的にもワクチン接種率が高いチリでは、規制緩和計画(Plan Paso a Paso)(2022年4月14日記事参照)のもと、国内で不自由なく行動するためには同許可証の提示が求められる場面が多く、チリ政府は、渡航にあたっては同許可証を取得することを強く推奨している。

注意点として、日本からチリへ空路で渡航する場合に直行便はなく、第3国を経由する必要がある。そのため、第3国でのトランジットでPCR検査の陰性証明書などの提出が求められる場合がある。また、搭乗する航空会社の規則によってもこれらの書類が必須となる場合があるため、注意が必要だ。

2.入国手続きの手順

警告レベル1である5月5日現在の入国手続きの手順は、「新型コロナ禍」以前と変わらない。しかし、チリ到着時にランダムでPCR検査または抗原検査が行われるため、選出された渡航者は検査を行い、その後、入国審査に進む。直近の例だと、空路で入国後、到着から空港の外に出られるまでに要した時間は1時間程度とのことだが、空港の混雑状況によってこれらの時間は変動する可能性がある。

3.入国後の必要手続き・行動制限

警告レベル1では、入国後の隔離はない。しかし、空港到着時にランダムで実施されたPCR検査または抗原検査で陽性だった場合、保健当局の指示に従い、宣誓供述書に記載した住所にて7日間の隔離を行う必要がある。レストランの屋内で飲食する場合、映画館や美術館を利用する場合、イベントへ参加する場合、200キロ以上の移動を行う公共交通機関を使用する場合などは、1.に記載した特別移動許可証の提示が必須となっている。

4.留意点など

チリ非居住者がワクチン接種済みであることを証明する特別移動許可証を取得するには政府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますより、チリ以外の国で取得したワクチン接種証明書によって申請を行うことが可能だ。申請が認められるワクチンはチリ公衆保健院(ISP)、世界保健機関(WHO)、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)が使用を承認したワクチンとなっている。ワクチン接種証明書がスペイン語または英語で用意ができない場合、その翻訳を添付する必要がある。最近報告されたケースでは、同許可証の申請を行ってから認証されるまでの期間は、長くても2週間程度となっている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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