OPECプラスが第28回閣僚級会合を開催、追加増産は見送り

(世界、中東、ロシア、ウクライナ、欧州)

中東アフリカ課

2022年05月09日

OPEC加盟国とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は5月5日、オンラインで閣僚級会合(第28回OPECおよび非OPEC閣僚級会合)を開催した。ウクライナ情勢を受けて原油価格の高値が続くことから、引き続き追加増産の動向が注目を集めていたが(2022年4月4日記事参照)、今回の会合でもOPECプラスは追加増産を見送り、現行の計画を維持することで合意した。

OPECはプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「石油市場におけるファンダメンタルズの継続と、その見通しに関する合意は、市場での需給の均衡を示している」とした。また、ウクライナ問題には直接触れず、「地政学的要因やパンデミックの問題は継続している」とした。2022年6月も、第19回会合で承認された生産調整計画(注)を維持し、月間生産量を日量43万2,000バレルの小幅増産にとどめる方針とした。

ウクライナ問題により、5月4日にはEUがロシアに対する第6次追加制裁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの一部として、ロシアからの原油輸入は今後6カ月以内、同精製品の輸入は2022年内に段階的禁止に取り組む方針を示すなど、原油相場にはさらなる上昇圧力がかかっている。原油価格は2022年に入って、3月8日の最高値からはやや落ち着きをみせたものの、4月以降も1バレル当たり100ドル前後の高値を維持している(添付資料図参照)。米国エネルギー情報局(EIA)の統計によれば、5月2日時点で米WTIが105.18ドル、北海ブレントが108.36ドルとなっている。

OPECプラスは、次回の第29回会合を6月2日に開催予定としている。

(注)OPECプラスは2021年7月の第19回閣僚会合で、同年8月以降は原油の協調減産量を毎月、日量約40万バレルずつ緩和していく方針を決定している。

(米倉大輔)

(世界、中東、ロシア、ウクライナ、欧州)

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