OPECプラス、第27回閣僚級会合で追加増産を見送り

(世界、中東、ロシア、ウクライナ、米国)

中東アフリカ課

2022年04月04日

OPEC加盟国とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は3月31日、オンラインで閣僚級会合(第27回OPEC・非OPEC閣僚級会合)を開催した。ウクライナ情勢を受けて原油価格が急騰していることから、日米欧などG7首脳は3月24日の共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、OPECは原油供給量の増加に向けて役割を果たすべきと言及していたが、OPECプラスは追加増産の見送りで合意した。

OPECはプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで「石油市場のファンダメンタルズは安定しており、現在の原油価格の変動要因はこうした市場の需給ではなく、地政学的な要因によるもの」とした。また、第19回会合で承認した生産調整計画(注)に従い、2022年5月の生産量を日量43万2,000バレルの小幅増産とする方針を維持すると発表した。

OPECプラスの追加増産見送りを受けて、国際エネルギー機関(IEA)加盟国は4月1日に緊急閣僚会合を開催し、石油備蓄の協調放出を決定した。米国のバイデン政権はこれに先立って3月31日、約1億8,000万バレル(今後6カ月間で日量100万バレル)の追加放出を決定している(2022年4月1日記事参照)。

原油価格は2022年に入り、2月下旬からのロシアによるウクライナ軍事侵攻を受けて高騰している(添付資料図参照)。米国エネルギー情報局(EIA)の統計によると、1月初めの1バレル当たり70ドル台から、3月8日には米WTIが123.64ドル、北海ブレントが133.18ドルまで上昇した。28日時点ではWTIが107.55ドル、ブレントが114.5ドルとなっている。

OPECプラスは次回の第28回会合を5月5日に開催予定としている。

(注)OPECプラスは2021年7月の第19回閣僚会合で、同年8月以降は原油の協調減産量を毎月日量約40万バレルずつ緩和していく方針を決定している。

(米倉大輔)

(世界、中東、ロシア、ウクライナ、米国)

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