鄭州市のコロナ対策厳格化

(中国、台湾)

武漢発

2022年05月09日

河南省鄭州市で新型コロナウイルス感染者の報告が相次いでいることを受け、鄭州市新型コロナウイス疾病予防コントロールセンターは5月3日、「全市での複数回のPCR検査実施に関する通告」(以下、「通告」)を発表した。「通告」では、鄭州市内の主要地域(中原区、二七区、金水区、管城区、恵済区、鄭東新区、高新技術開発区、経済技術開発区)で5月4~6日に毎日全員がPCR検査を行うことなどが定められているほか、鄭州市からの移動を制限することなども定められている。主な内容は以下のとおり。

  • 主要地区の政府機関や企業関係者は在宅勤務とする。
  • 医療関係者や行政関係者、電気、水道、ガスなどの都市インフラに従事する関係者は24時間以内のPCR検査陰性証明および工作証明があれば出勤を可とする。
  • 主要地域の閉鎖管理地区以外では、各家庭1日1回、24時間以内のPCR検査陰性証明と小区臨時出入証を携帯し、社区が指定した場所で生活物資を購入することができる。
  • 主要地域内のバス、地下鉄を減便する。利用の際も24時間以内のPCR検査陰性証明の提示が必要。
  • 主要地域の学校や幼稚園はオンライン授業へ移行。
  • 鄭州市民は必要な場合を除き鄭州市を離れてはいけない。鄭州市を離れる場合は、24時間以内のPCR検査陰性証明、所属企業(学校)もしくは居住地のある社区の証明書が必要。
  • 必要がない限り、鄭州市外から鄭州市へ入ってはならない。鄭州市内に入る場合は、健康コード、行程コード、48時間以内のPCR検査陰性証明が必要になる。鄭州市に入ったのち直ちにPCR検査を受けなくてはならない。
  • スーパーマーケットや市場、薬局、医療機関など市民生活に必要な場所や公共サービスを提供する企業や、閉鎖管理の条件を満たし許可を得た企業以外は生産、事業を停止する。飲食店は小区の入口に商品を配送するデリバリー業務のみを認める。

上記通告の期限は5月10日までとされているが、感染状況によって調整されるとしている。なお、5月5日における鄭州市内の感染状況は、新規感染者5人、無症状感染者が12人となっている。

鄭州市には、世界最大の電子機器の受託製造企業である台湾の鴻海精密工業傘下の富士康が進出している。台湾の王美花経済部長は5月4日「中国における持続的な感染防止措置はサプライチェーンにも影響を与えている。鄭州最大の台湾企業の鴻海(富士康)は閉鎖管理による生産が可能と承知している」と述べている(「中央社」2022年5月4日)。

(楢橋広基)

(中国、台湾)

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