全市民対象の新型コロナ抗原検査を実施

(香港)

香港発

2022年04月08日

香港では4月8日から、全市民を対象とした新型コロナウイルスの抗原検査が始まった。香港特別行政区政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は6日の定例の抗疫記者会見で、香港全域の感染状況を把握して無症状感染者を割り出すことで、市中の感染連鎖を断ち切ることなどを目的に、この検査を実施するとし、市民への協力を求めている。

検査実施に先立ち、政府は4月2日から全世帯に抗原検査キット20セット、KN95マスク20枚、漢方薬2箱を含む防疫グッズの配布を始め、6日時点で270万世帯が受領した。防疫グッズに含まれる抗原検査キットを使用し、10日まで3日連続、3回検査するよう市民に呼び掛けている。

写真 配布された防疫グッズ(ジェトロ撮影)

配布された防疫グッズ(ジェトロ撮影)

香港の新型コロナウイルス感染者数は4月7日時点で74万8,110人(PCR検査での陽性者数、自己申告の抗原検査の陽性者数43万5,125人を含めると、計118万3,235人)となっている。感染拡大第5波(注)のピークである3月3日の感染者数は1日当たり5万6,827人を記録したが、4月7日は同1,368人となり、減少傾向が続いている(添付資料図参照)

一方で、街には人出が戻っており、4月は連休もあることから、リバウンド感染が懸念されている。林鄭行政長官は先の会見で、MTR(地下鉄)やバス、トラム、フェリーの乗客者数が3月21日の478万人から4月1日には544万人へ増加しているとし、引き続き現行の集合規制などを順守するよう市民に求めた。

(注)香港では一般的に、2020年1月の新型コロナウイルス感染拡大開始を「第1波」、同年3月中旬以降の輸入症例拡大を「第2波」、同年7月中旬以降と11月下旬以降の域内感染拡大をそれぞれ「第3波」、「第4波」、2021年12月末のオミクロン型変異株感染拡大以降を「第5波」と呼んでいる。

(渕田裕介)

(香港)

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