貿易調整制度を改正、支援対象となる損害事由にサプライチェーン混乱を追加

(韓国)

ソウル発

2022年04月14日

韓国産業通商資源部は4月11日、「貿易調整支援等に関する法律」と関連規定を改正し、4月20日から施行すると発表した。今回の改正により、自由貿易協定(FTA)に伴う輸入増による損害に限られていた貿易調整支援制度の支援範囲を拡大し、急変する通商環境に適応するため、サプライチェーンの混乱や貿易制限措置、人やモノの移動制限などによって貿易量が急減した際の損害(以下、通商上の損害)も支援対象に追加した。これにより、例えば、ウクライナ情勢などによるサプライチェーンの混乱の影響で国内企業に損害が発生した場合、「通商条約国内対策委員会」(注1)での審議を経て、損害企業に支援することが可能となる。

具体的には、通商上の損害が原因で6カ月以上、生産または売上高が5%以上減少した製造業とサービス業の企業を「通商損害支援企業」に指定し、これまでの貿易調整支援内容(注2)に加え、中小ベンチャー企業振興公団による「緊急経営安定化支援」、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の「海外マーケティング」、産業通商資源部や中小ベンチャー企業部による「事業再編・事業転換」事業を通じた支援を受けることが可能になる(注3)。

同部のヨ・ハング通商交渉本部長は貿易調整支援制度の拡充について、「今後、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)やインド太平洋経済枠組み(IPEF)への参加が本格化した際も、韓国企業の被害救済と競争力強化に役立つ」と強調、同制度をさらに拡大、発展させていく考えを示した。

(注1)18省庁の次官クラスや大韓商工会議所会長、中小企業中央会会長、学会、労働・農民団体の代表など20人で構成する。

(注2)これまでの支援内容は、(1)経営および技術コンサルティング費用の80%を支援、(2)施設および運転資金の融資(固定金利、年2%)、(3)雇用の維持、転職・再就職支援。

(注3)輸出マーケティング、代替輸入先の発掘、通関支援、工場の自動化など生産性向上に関するコンサルティングなどが新たに支援事業として追加される。

(当間正明)

(韓国)

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