水際対策を一段と緩和、入国前の検査義務を撤廃

(シンガポール)

シンガポール発

2022年04月26日

新型コロナウイルスのシンガポール政府タスクフォースは4月22日、国内の感染状況のさらなる沈静化を受けて、水際対策の一段の緩和を発表した。同月26日から、空路・海路で入国した場合、13歳以上のワクチン接種完了者(注1)であれば入国2日前の検査を受ける必要がなくなった。

同国では4月1日から、渡航規制リストにある国・地域に過去7日間滞在していない全てのワクチン接種完了者について、隔離なしの入国を基本的に認める「ワクチン接種完了者渡航フレームワーク」に切り替えた(2022年3月25日記事参照)。4月25日時点で渡航規制リストに記載されている国・地域はない。これまでシンガポール国民を含む海外渡航者について入国48時間以内に、指定医療機関においてPCR検査または抗原検査(ART)検査を受けて陰性の必要があったが、4月26日からワクチン接種者であれば、検査義務が撤廃となった。なお、12歳以下は、ワクチンを接種していなくても入国が可能で、入国前の検査も必要ない。

ワクチン接種者は、指定のワクチンを接種した旨の英語の証明書の所持が必要となる。また、空路・海路で入国する場合、入国前3日以内にオンラインの入国カード「SGアライバル・カード外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の記入と健康状態の申告が必要となる。さらに、短期渡航者も追跡アプリ「トレーストゥゲザー」のダウンロードが義務付けられる(注2)。

日本からの観光ツアーも5月から再開

渡航規制の緩和を受けて、チャンギ空港を利用した渡航客は2022年3月に114万人と、前月の70万3,000人から増加した。チャンギ空港の月当たりの利用客が100万人を超えるのは、2020年3月以来2年ぶりとなる。海外渡航客は4月から隔離義務が撤廃されたことを受けて、一段と増加する見込みだ。日本からの観光ツアー再開の動きもある。旅行会社HISは5月16日から、シンガポールへの観光ツアーパッケージも再開する予定だ。

(注1)ワクチン接種完了者と認定されるワクチンの種類と回数については、入国管理局(ICA)のホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注2)ワクチン接種者のシンガポール入国時の具体的な手続きを記したチェックリストはICAのホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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