天然ガス供給停止の場合、ドイツ・バイエルン州企業の2割が生産停止に

(ドイツ、ウクライナ、ロシア)

ミュンヘン発

2022年04月26日

ドイツ南部バイエルン州の経済団体バイエルン経済連盟(vbw)は4月14日、ウクライナ情勢を受け、エネルギー、天然ガスの供給に関する企業アンケート結果を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同アンケートは、金属・電機産業、その他製造業、建設・商業・ホテルなどのサービス業などに携わる同州企業に対して、4月4~13日に実施した。1,141社から回答を得た。

アンケート結果によると、天然ガス供給が短期的に停止した場合、22.0%の企業が「生産またはビジネスが完全に停止する」と回答した。エネルギー集約型産業に限定すると、「生産またはビジネスが完全に停止する」とした企業は全体の33.5%になった。この回答は窯業で44.9%、金属加工業では35.7%に高まった。他方、天然ガス供給が短期的に停止した場合、「大きな影響」または「中程度の影響」を受けるとの回答は全体の21.3%だった。このように、天然ガス供給が短期的に停止した場合に影響を受ける企業は、平均で4割の売り上げ減を見込んでいるという。

天然ガス供給が停止した場合の短期的な代替可能性として、回答企業の59.0%が「(バイオガスなどの)再生可能ガス」、38.0%が「電力への転換」と回答した(複数回答可)。また、エネルギー供給維持のために望まれる措置として、「石炭火力発電所の運転期間延長」(46.4%、注1)、「天然ガスの供給源の多様化」(41.9%)、「再生可能エネルギーの拡大」(38.1%)、「原子力発電所の運転期間延長」(36.0%、注2)などが挙がった(複数回答可)。

企業の回答によると、2月末のロシアによるウクライナ軍事侵攻開始後、エネルギーコストは平均46.8%上昇した。売上高に占めるエネルギー調達費の割合では、「15%以上」が全体の6.7%、「10~15%未満」が8.7%、「5~10%未満」が20.4%となった。バイエルン州統計局の4月13日発表では、2022年2月のバイエルン州の石油、天然ガスの輸入量は前年同期比7.9%増だったのに対し、輸入額は約2.4倍の15億ユーロ超だった外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。石油と天然ガスの輸入価格高騰が統計からも裏付けられた。

バイエルン州は全ドイツの名目GDPの18.5%を占め(2021年)、BMW、アウディ、シーメンス、インフィニオン・テクノロジーズなど有名なドイツ企業が本社を構えている。vbwは州内154の雇用者団体・経済団体、47の支援会員を束ねる経済団体で、ドイツ雇用者協会連盟(BDA)、ドイツ産業連盟(BDI)のバイエルン州支部の役割も担う。

(注1)オラフ・ショルツ現政権は政権発足時の2021年11月に発表した連立協定書で「石炭・褐炭火力発電所の段階的廃止を『理想的には』2038年から2030年へ前倒しする」としている(2021年11月26日記事参照)。

(注2)ドイツでは2022年末までに原子力発電所を全廃する。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ、ウクライナ、ロシア)

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