サムスン電子、中小企業に無償で技術を移転

(韓国)

ソウル発

2022年04月13日

韓国産業通商資源部は4月11日、「2022年度 産業通商資源部・サムスン電子技術分け合い」事業に参加を希望する企業を、4月11日から5月13日まで受け付けると発表した。同事業は、中小企業の技術競争力の強化や革新的な成長を支援するため、大企業や公的企業などが保有する未活用の技術を中小企業に無償で移転する事業(注1)。サムスン電子は今年度、モバイル機器(140件)、通信・ネットワーク(45件)、半導体(34件)、ディスプレー(27件)など7分野で合計276件の技術をリストアップした。

サムスン電子は、2015年から同事業に参加している。これまでサムスン電子から技術移転を受けた中小企業の成功事例として、自動体外式除細動器(AED)の生産を手掛けるA社が挙げられる。A社がAED機器にIoT(モノのインターネット)技術を適用する方法を模索していたところ、サムスン電子から「ネットワーク上のサービス共有」技術の無償提供を受け、世界初となる「IoT基盤のAED統合モニタリング装置」の開発に成功、その後、優秀革新製品に選定され、これまで200台以上の販売実績を上げている。

技術移転を希望する企業は、産業通商資源部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます韓国産業技術振興院外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのウェブサイトに掲載の事業公告を参考に、5月13日までに電子メールで申請が可能(注2)。申請後は審議委員会の評価を通じ技術移転の可否が決定される。

産業通商資源部は「世界的な企業であるサムスン電子が開発した技術を活用することで、韓国の中小企業に革新的な成長の機会が与えられる」と強調し、「今年度は、韓国電力、ポスコ、SKグループなども同事業に参加する計画」と明らかにした。

(注1)2013年から25社の大企業・公的企業が技術提供機関として参加し、2021年までに1,043社に2,402件の技術が移転された。

(注2)ウェブサイトでは、申請書のほか、サムスン電子が無償移転する276件の技術リストも掲載されている。

(当間正明)

(韓国)

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