長春市、1カ月半にわたる都市封鎖を解除、正常化にはまだ時間も

(中国)

大連発

2022年04月28日

中国吉林省の長春市では、新型コロナウイルス感染拡大を受け、3月11日から封鎖管理を行っていたが(2022年3月22日記事参照)、4月28日午前0時から通常の企業活動と市民生活を徐々に再開させると発表した。

ただし、市政府は市民に対する一定の行動制限を引き続き課しており、地域によってその基準が異なるため、注意が必要だ。まず市中心部の7区では、防范区(注)に指定された区域では、1日1世帯につき1人の外出を許可したが、同エリア以外への移動は認めない。市中心部外の県級市で防范区に指定した区域では、同域内の活動を許可した。封控区、管控区では、封鎖管理解除後7日間の自己健康観察期間を設け、その間は公共交通機関の利用と小区(マンション群、団地単位)から離れることを禁止した。

市内のバスも、重点路線については運行を再開。市外を結ぶバスや鉄道、飛行機なども利用可能となった。小型スーパーや美容院、自動車修理店、ベビー用品店など生活と密着したサービス店の営業が再開される。ただし、娯楽・レジャー施設や人が集まる場所については引き続き活動停止とし、飲食店も、店内での飲食は引き続き停止し、持ち帰りやデリバリーでサービスが提供される。

企業活動では、感染対策を適切に行う企業については操業再開を許可し、防范区に居住する従業員は企業と自宅の往復を基本とし、封控区、管控区の住民は引き続き在宅勤務となる(2022年4月26日記事参照)。

封鎖管理を解除する一方で、住民は社区の指示に従い、3日ごとにPCR検査を実施することが義務付けられる。検査を実施しなかった場合は、健康コードが通常の緑色から黄色に変わり、厳しい移動制限が課せられる。また、同市に入る場合は、事前に社区への報告と、3日間に2回PCR検査の実施(うち1回目は到着後24時間以内)が義務付けられた。中・高リスク地域から市内に入る場合は14日間の集中隔離が必要とされた。

長春市は、封鎖管理前日の3月20日時点で新規感染者数1,079人と感染が拡大していたが、4月26日時点では新規感染者数(いずれも隔離監視対象者から判明したもの)が46人と減少傾向にある。しかし、長春市ならびに吉林省の経済、社会活動が平常に戻るまでには一定の時間がかかるものとみられる。

(注)「封控区」「管控区」「防范区」は次のとおり。

  • 「封控区」:封鎖管理期間に小区(マンション群、団地単位)レベルで感染者が報告された地区。
  • 「管控区」:「封控区」となった小区を有する街道や鎮(区の下の行政レベル)。
  • 「防范区」:「封控区」「管控区」以外の地区。

(山口はるか)

(中国)

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