吉林省で生産活動の再開が進む

(中国)

大連発

2022年04月26日

中国・吉林省の4月24日における新型コロナウイルスの新規感染者数は79人、新規無症状感染者は107人と、減少傾向にある。うち、長春市が最多を占め、新規感染者数は74人、新規無症状感染者は89人だが、同様に減少傾向にある。同省政府は、4月14日に長春市が社会的ゼロコロナ(注)の目標を実現したと発表しており(2022年4月18日記事参照)、生産活動の再開に向けた取り組みが進められている。

同省工業情報化庁の宋暁輝庁長は4月23日、記者会見の中で、4月22日現在の省内における主要業務による売上高が2,000万元(約4億円、1元=約20円)以上の工業企業のうち、96.3%が業務を再開したほか、長春市を除く省内他地域の業務再開率が98%以上にのぼると説明した。

また、宋庁長は同省の重点産業の自動車分野について、同集団および部品サプライヤー計502社のうち、在庫が十分あり生産再開を見合わせている20社を除く全ての企業で生産を再開したことを明らかにした。4月21日付の吉林日報は、中国第一汽車集団の長春市にある完成車工場のうち、中国第一汽車蔚山工場、長春一汽フォルクスワーゲン(VW)、四川一汽トヨタ汽車長春豊越では完成車の生産を再開しており、中国第一汽車の奔騰(BESTUNE)ブランドと一汽解放汽車は生産ライン再開の準備が整ったと報じている。

4月19日に開催された吉林省政府の常務会議では、2022年第1四半期に吉林省や他の地域で散発的に発生した新型コロナウイルス感染拡大は、同省経済の正常な運営に重大な影響が出ており、経済情勢は非常に厳しいと指摘した。そのうえで同会議では、新型コロナウイルス感染によって被った損失の挽回に向け最大限努力し、新型コロナウイルスによる経済や社会発展への影響を最大限低減させることを強く求めた。

(注)新たに確認された感染者がいずれも濃厚接触などで既に隔離管理されている人の確定診断であり、市中で確認された新規感染はゼロであることを指す。

(呉冬梅)

(中国)

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