韓国の生産年齢人口、2035年に3,000万人割れの見通し

(韓国)

ソウル発

2022年04月25日

急速な少子高齢化が進んでいる韓国では、内国人人口が2023年に5,000万人を下回り、経済活動に参加する「生産年齢人口」は2035年に3,000万人を割る見通しだ(添付資料「表1 韓国の人口推移(2020年~2040年)」、「表3 内国人の生産年齢人口および構成比」参照)。

韓国統計庁が4月14日公表した「2040年の人口展望」(注)によると、定住外国人を含めた韓国の総人口が2020年5,184万人から2040年には5,019万人に減少し、韓国国籍の内国人人口は2023年に5,000万人を下回る見通しだ(添付資料表1参照)。総人口に占める内国人のシェアは2020年の96.7%から2040年には95.7%に減少し、外国人シェアは3.3%から4.3%に増加する。移住外国人の増加によって、深刻な人口減の傾向が多少緩和されるといえる。

死亡数から出生数を引いた自然減は拡大する。内国人は2020~2025年の平均8万人減から2035~2040年には18万人減に拡大する。外国人は2030~2035年の間に自然減に転じる(添付資料表2参照)。内国人の出生数は2020~2025年の年平均24万人から2035~2040年には30万人に、死亡数は2020~2025年の年平均32万人から2035~2040年の48万人に増加する見通しだ。

内国人のうち、経済活動に参加する「生産年齢人口」は2020年3,583万人から急減し、2035年には2,975万人と3,000万人割れになり、さらに2040年には2,676万人に減少する(添付資料表3参照)。内国人人口に占める割合は2020年71.5%から2040年に55.7%まで下がり、2040年には働く人の割合が国民の半分近くになる見通しだ。

一方、韓国の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の推定数)が2020年0.84から2024年に0.70に落ち込むという見通しもあり、少子高齢化がさらに進展する見通しだ。高齢者数(65歳以上)は2020年の807万人から2040年には1,698万人に急増し、その割合は2020年16.1%から2040年には35.3%に上昇し、3人に1人が65歳以上となる見通しだ。その半面、同じ期間における0~14歳の割合は12.4%から8.9%に低下する。急速な少子高齢化は、経済の活力低下につながり、労働力不足や年金制度の維持などの多方面での社会構造変化が引き起こされるとみられる。

(注)韓国統計庁が2021年12月9日に発表した「将来(2020年~2070年)の人口推計」に基づいて、2040年までの人口を推計した資料。

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(韓国)

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