米国務省が人権報告書を発表、中国やロシアの取り組み状況を強く非難

(米国、中国、ロシア)

米州課

2022年04月18日

米国国務省は4月12日、2021年人権報告書を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。国務省は、世界人権宣言やその他国際的な合意によって定められた個人や労働者の権利について、毎年、世界各国の状況を取りまとめている。

同報告書では、人権侵害が行われている国・地域として、中国、ロシア、北朝鮮、ニカラグア、シリア、ミャンマー、ベラルーシ、キューバ、香港、スーダンが例に挙げられた。他方、イラクで2021年10月に信頼性かつ透明性の高い総選挙が実施されたことや、ボツワナの最高裁判所が同性愛を非犯罪化したこと、トルクメニスタンで信教の自由が認められたことを評価した。

中国に関しては、90ページの分量が割かれたPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(前年88ページ)。イスラム教徒のウイグル人や新疆ウイグル自治区に居住するその他民族的・宗教的マイノリティグループに対するジェノサイド(集団殺害)が2021年も継続して発生しており、100万人以上の民間人が恣意(しい)的な投獄や身体的自由の剥奪に遭っていると非難。政府関係者や治安部隊がしばしば人権侵害を犯すも刑事責任を免れ、汚職に関する法執行には一貫性と透明性がないと指摘した。

ロシアに関しては、93ページにわたって記述されPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(前年81ページ)、ウクライナ・クリミア半島の占領および併合が、ウクライナの人権状況に重大な悪影響を及ぼし続けたと言及した。また、ロシア政府は、ウクライナ東部の分離主義勢力と共に武装化や訓練、戦いを続けており、ロシア居住のウクライナ人を政治的理由で逮捕、拘束、起訴した上、その多くは拷問を受けたと主張している旨を明らかにした。同国政府は人権侵害や汚職に関与した大多数の役人を処罰していないとも書かれている。

ジョー・バイデン大統領は、人権の観点から経済安全保障分野の規制を強めており、2022年6月に発効予定のウイグル強制労働防止法の成立はその一例といえる(2021年12月24日記事参照)。アントニー・ブリンケン国務長官は、人権報告書に関するプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で、「財務省と協力しながら、グローバル・マグニツキー法(注1)やカショギ禁止措置(注2)を通じて、人権侵害者および彼らから利益を享受している人々に制裁を科し、査証(ビザ)発給の制限を実施する」と述べた。

(注1)2016年成立の米国法で、国籍を問わず、人権侵害や汚職に関与していると特定された外国人に対して、経済制裁や米国への入国拒否を行う権限を大統領に与える法律。

(注2)外国政府に代わって行動し、反活動派と戦うことを目的に深刻な治外法権活動に直接関与したと考えられる個人に対して、国務省が制裁や査証発給の制限を課すもの。

(片岡一生)

(米国、中国、ロシア)

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