3月のカナダ消費者物価指数、前年同月比6.7%上昇、1991年以来の大幅な伸び

(カナダ)

トロント発

2022年04月21日

カナダ統計局が4月20日に発表した3月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、前年同月比で6.7%上昇した。2月の上昇率(5.7%)を1ポイント上回り、1991年1月(6.9%)以来の大幅な伸びとなった。

統計局によれば、食料品、住居、輸送など主要指標の8分野全てで上昇がみられた。中でも、輸送に関わるコストの上昇が突出しており、ロシアのウクライナ侵攻による供給混乱から原油価格が急騰した結果、ガソリン価格が前月比で11.2%、前年同月比では39.8%上昇したことが大きな要因となった。

また、上昇幅の大きい食料品(前年同月比8.7%)や家具などの耐久消費財(13.7%)は航空輸送(8.3%)と同様、ガソリンなどのエネルギー価格の上昇による影響を大きく受けた。

TD銀行のシニアエコノミスト、レスリー・プレストン氏は「カナダ中央銀行(中銀)は急速なインフレに対応するため、0.5ポイントの利上げを先週実施したが(2022年4月13日記事参照)、今回の発表により6月にさらに0.5ポイントの利上げが実施されるだろう」とコメントした(4月20日付TDエコノミクス)。また、モントリオール銀行(BMO)のチーフエコノミスト、ダグラス・ポーター氏も「中銀は金利をできるだけ早く中立水準(2~3%の間)に引き上げるとみられ、次の2回の政策会合で0.5ポイントずつ、その後は隔回で0.25ポイントのペースで、中立水準の中間、例えば2.5%に達するまで引き上げを続けるものとみられる」と述べた(4月20日付BMOエコノファクツ)。

中銀の今後の政策金利発表は、6月1日、7月13日に予定されている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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